2001 Fiscal Year Annual Research Report
細胞間結合・コミュニケーションからみた子宮内膜の機能とその異常
Project/Area Number |
11671638
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
斉藤 豪 札幌医科大学, 医学部, 講師 (90145566)
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Keywords | 子宮内膜癌 / 細胞接着 / コネキシン / カテニン / レチノイン酸 / 細胞間コミュニケーション / 子宮内膜増殖症 / エストローゲン |
Research Abstract |
正常子宮内膜では血中性ステロイドホルモンおよびそのレセプターであるエストローゲンレセプターないしプロゲステロンレセプターの発現が細胞間コミュニケーションを司るコネキシンの発現に影響を与えることを報告してきた。本実験では子宮内膜の癌化過程における細胞間コミュニケーションの影響を探るため、これらのレセプターの働きをサポートしていると考えられる熱ショック蛋白HSP27とHSP70の発現について、正常子宮内膜・子宮内膜増殖症・子宮内膜癌における発現を免疫組織化学あるいはウエスタンブロット法によって調べ、これらが子宮内膜増殖症で過剰に発現していることが明らかになった。また、性ステロイド以外にも子宮内膜の増殖・分化に影響を与えることが期待されるレチノイン酸に対するレセプターRARとRXRについても正常子宮内膜の月経周期での発現と細胞内局在を検索したところ、増殖期内膜でこれらが強く発現していることが明らかになり増殖期から分泌期にかけての細胞分化に強い影響を与えていることが示唆された。この、レチノイン酸も細胞間のコミュニケーションに影響を与えることが期待される。 細胞接着蛋白の一つであるb-cateninの遺伝子異常と細胞内局在について子宮内膜増殖症と子宮内膜癌、さらに子宮内膜増殖症を伴った子宮内膜癌について検討した。この実験では、子宮内膜癌では10%程度に遺伝子異常は認めるものの、増殖症では60%以上の症例でb-cateninの局在異常を認めながら遺伝子異常は認められなかった。以上より子宮内膜の癌化にはb-cateninの遺伝子異常をともなわずにWntの活性化が起きているものと考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Saito T: "Usefulness of Silver Intensification of Immunostaining for Cytological Diagnosis of Primary Melanoma of Female Genital Organs"Acta Cytologica. (In press). (2002)
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[Publications] Ashihara K, Saito T: "LOSS of γ-catenin expression in squamous differentiation of endometrial carcinoma"International Journal of Gynecologic Pathology. (In press). (2002)
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[Publications] Mizumoto H, Saito T: "Expression of Matrix Metalloproteinases in Ovarian Endometriomas -Immunohistochemical Study and Enzyme Immunoassay -"Life Sciences. (In press). (2002)
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[Publications] Ashihara K, Saito T: "Mutation of β-Catenin Gene in Endometrial Cancer but not in Associated Hyperplasia"Medical Electron Microscopy. (In press). (2002)
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[Publications] Saito T: "Changes in expression and subcellular localization of nuclear retinoic acid receptors in human endometrial epithelium during the menstrual cycle"Molecular Human Reproduction. 7. 437-446 (2001)
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[Publications] Wataba K, Saito T: "Overexpression of Heat Shock Proteins in Carcinogenic Endometrium"International Journal of Cancer. 91. 448-456 (2001)