1999 Fiscal Year Annual Research Report
婦人科悪性腫瘍における抗癌剤感受性制御分子のRNA抑制発現クローニング
Project/Area Number |
11671642
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
田中 哲二 大阪市立大学, 医学部, 講師 (80275255)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 謙一 大阪市立大学, 医学部, 助手 (40244644)
川村 直樹 大阪市立大学, 医学部, 講師 (30254410)
平井 光三 大阪市立大学, 医学部, 助手 (00305616)
荻田 幸雄 大阪市立大学, 医学部, 教授 (00047086)
梅咲 直彦 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (20106339)
|
Keywords | 抗癌剤耐性 / 発現クローニング / differential display |
Research Abstract |
【研究目的】我々が既に樹立した各種抗癌剤耐性株を用いて、differential display法で抗癌剤耐性化関連遺伝子群を一挙に同定する。同時に細胞生物学的解析を行い、別の角度から抗癌剤耐性化機構についての解析を行う。 【平成11年度研究成果】 (1)卵巣癌株と子宮癌株から誘導された各種抗癌剤耐性株の細胞生物学的解析: 樹立した100種類以上の抗癌剤耐性株を以下の手順で細胞生物学的に解析している。耐性株同士の組み合わせが極めて多数となるために解析はまだ途中である。抗癌剤耐性株の性状に関する論文発表は主に次年度からになる。(1)各耐性株の抗癌剤感受性を測定し、感受性の強弱順に耐性序列を決定する。抗癌剤耐性に関連性があると報告されている既知の分子の発現については、RT-PCR法で耐性株の序列順に発現が変動するかを検討する。特に明らかな関連が疑われる分子の存在が認められた時は、遺伝子導入発現実験を行い確定する。(2)各耐性株について抗癌剤交差耐性の有無を検討する。(3)各耐性株の細胞膜抗原性/染色体数の変化/細胞周期性変化についてFlowcytometryで解析する。既知の抗癌剤耐性遺伝子の発現異常について、RT-PCR法、免疫組織化学法、Flowcytometryで解析する。 (2)differential display法による耐性化関連遺伝子の同定:各耐性株細胞より抽出したRNAでdifferential display法行ってきた。この研究も耐性株の組み合わせが極めて多数となるために解析はまだ完了していない。詳細はまだ公表できないが明らかに新しい抗癌剤耐性関連遺伝子と推定される遺伝子を既にいくつか同定している。例えば、SN38耐性株を用いたdifferential display法ではaldehyde dehydrogenase遺伝子やT細胞性白血病遺伝子が候補に挙がっている。現在は、続々と明らかになってきている候補遺伝子について確認実験を追加している最中である。同定された遺伝子に関する論文発表は次年度からになる見込みである。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] 梅咲直彦、田中哲二、川村直樹: "維持化学療法の意義"産科と婦人科. 11. 1549-1556 (1999)
-
[Publications] 田中哲二 ほか: "塩酸イリノテカン(CPT-11)投与に伴う副作用と漢方療法:臨床的CTP-11耐性化現象と副作用の相関についての一考察"産婦人科漢方研究のあゆみ.. 16. 119-123 (1999)
-
[Publications] Umesaki N, Tanaka T, et al.: "Intermittent cisplatin therapy for stage-III ovarian cancer patients following clinical remission"Gynecol Obstet Invest.. 47. 139-143 (1999)
-
[Publications] Umesaki N, et al.: "Cervical adenocarcinoma, a novel combination chemotherapy with mitomycin C, etoposide, and cisplatin for advanced or recurrent disease"Gynecol. Oncol. 75. 142-144 (1999)
-
[Publications] Umesaki N, Tanaka T, et al.: "Remarkable suppressive effect of consecutive low-dose cisplatin therapy on advanced ovarian clear cell adenocarcinoma"Oncology Reports. 6. 1035-1037 (1999)
-
[Publications] Tanaka T, et al.: "Establichment and characterization of anticancer drug resistant subclones derived from human cervical squamous cell carcinoma"Cytomolecular Genetics. 4. 36-39 (1999)
-
[Publications] 梅咲直彦、田中哲二、川村直樹: "新女性医学大系34 子宮頚部癌の悪性腫瘍 化学療法"中山書店(東京). 16 (2000)