2000 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜脱落膜化機構におけるステロイド受容体の意義と細胞間相互作用に関する研究
Project/Area Number |
11671646
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
竹田 省 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (20143456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 麻紀 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (20301468)
大久保 貴司 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (40271241)
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Keywords | 脱落膜 / ステロイド受容体 / 絨毛細胞 / マクロファージ / 血管新生因子 / PGE_2 |
Research Abstract |
受精卵着床後、卵周囲の子宮内膜は急速に形態を変え、脱落膜へと変化する。ステロイド受容体と脱落膜化機序を検討すると共に、絨毛細胞とマクロファージなど免疫細胞、間質細胞の相互作用を検討した。 1、子宮内膜間質細胞(ST-2)は、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体を持ち、E2やP4にて脱落膜化しないが、cAMPの添加にて脱落膜化し、プロラクチンの発現をみる。この発現はcAMP/MPAの添加でさらに相乗的に促進される。また脱落膜化の指標としてのIBFBP-1の発現やEstrone Sulphatease活性も上昇する。これらの発現はエストロゲン受容体阻害剤で抑制され、またaminopeptidase inhibitorにても抑制された。 2、絨毛細胞の存在や絨毛細胞の培養上清は、脱落膜からのPGE2の産生を抑制する。このPG産生を抑制する液性因子は、熱安定性の分子量5万以上の物質である。しかし、絨毛細胞の増殖能は脱落膜の存在により抑制される。 3、脱落膜の産生する血管新生因子(VEGF,bFGF,TGF_β)やthymidinc phosphorylase(TP)の発現は、IL1_βやTNF_αで促進される。またマクロファージの存在下でも促進される。 以上より、子宮内膜間質細胞は、エストロゲン、プロゲステロン相互の受容体の調節を受けて脱落膜化され、着床部位の細胞間の相互作用により発育、文化していくことが判明した。
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[Publications] 関博之,竹田省 他: "脱落膜細胞増殖およびPGE_2、VEGF産生に及ぼす絨毛細胞の影響について"日本受精着床学会誌. 16. 168-170 (1999)
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[Publications] 松田菊美,竹田省 他: "子宮内膜間質細胞の血管新生因子産生に及ぼすサイトカイン、monocyte、絨毛細胞の影響について"日本受精着床学会誌. 17. 182-185 (2000)