2001 Fiscal Year Annual Research Report
インテグリン/ECM相互作用による着床現象の制御機構の解明
Project/Area Number |
11671648
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
塩川 滋達 杏林大学, 医学部, 助手 (50241005)
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Keywords | 着床現象 / Rho / インテグリン |
Research Abstract |
1)インフォームドコンセントを取得後、また人工妊娠中絶時に妊娠初期脱落膜を採取し実験材料とした。 2)SatyaswarooPおよびBravermanらの方法にて妊娠初期脱落膜の培養細胞を作製した。 3)妊娠初期脱落膜の培養細胞を、Rhoの選択的阻害剤であるボツリヌス菌菌体外酵素C3または、Rhoの活性化剤であるlysophosphtidic acid(LPA)を添加とともに培養し、固定後FIT-Phalloidinにてアクチンフィラメントを染色した結果、C3酵素により、アクチンフィラメントの構造が破壊され、LPA添加により、アクチンフィラメントが増加した。 4)7週令のCD-1雌マウスをPMSG-hCGにて過排卵誘起し、同系雄マウスと交配し、hCG投与後96h後に子宮内初期胚(桑実胚および初期胞胚)を回収し、脱落膜間質細胞と共培養した。C3または、LPAをBASAに添加し、Rhoの着床現象における役割を検討した結果、C3酵素およびLPAの添加はマウス胞胚のhatchingおよびattachmentに影響を与えなかったが、C3酵素はマウス初期胚の伸展した面積(μm2)を濃度依存性に抑制し(非添加群:124,C3lng/ml:89.9,C3 10ng/ml:74.5,C3 100ng/ml:67)、LPAは初期胚の伸展した面積(μm2)を濃度依存性に増加させた(非添加群:124,LPA 1μM:158.6,LPA 10μM:171.4,LPA 100μM:185.9)。 これらのデーターより、子宮内膜におけるRhoは初期胚の浸潤に関与している可能性が示唆された。
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