1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11671667
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橋本 省 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20156285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
欠畑 誠治 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (90261619)
堀井 明 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40249983)
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Keywords | 聴神経腫瘍 / CGH / FISH / NF2 / 2ヒット |
Research Abstract |
本年度は13例の聴神経腫瘍に対し、計画通りに蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)法およびCGH(comparative genomic hybridization)法による解析を行った。その結果、FISH法では13例中6例においてLOHすなわちNF2遺伝子の欠失が確認され、一方CGH法では13例中4例で22番染色体長腕の欠失が確認された。この2つの結果を合わせると13例中7例(54%)ではNF2遺伝子の対立遺伝子の少なくも一つが欠失していることが明らかとなった。また、同時に他の染色体には明らかな異常はみられず,NF2遺伝子が聴神経腫瘍の主たる、かつ、おそらく唯一の原因遺伝子であることが示唆された。これを確認するために研究を更に進め、NF2遺伝子のPCR-SSCPによる解析を行ったところ、13例中11例で塩基配列の異常が確認され、うち4例では各2カ所の異常が見いだされた。これらを総合すると、13例中12例(92%)という高率でNF2遺伝子の異常が確認され、かつ、うち8例では対立遺伝子の両方が欠失している、すなわち2ヒットがあることがわかった。この結果より、聴神経腫瘍の原因遺伝子はNF2遺伝子であり、腫瘍の発生は2ヒットすなわち同遺伝子の失活によって引き起こされるものと考えられる。次年度は更に症例数を増やして上記所見の確認を行うと共に、顔面神経鞘腫など他の神経鞘腫についても解析する予定である。
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