1999 Fiscal Year Annual Research Report
難聴耳の音声認知における聴覚、視覚入力の相互作用とその可塑性に関する研究
Project/Area Number |
11671668
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川瀬 哲明 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (50169728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 陽一 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (20143034)
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Keywords | マガーク効果 / 難聴 / 可塑性 |
Research Abstract |
難聴耳の音声認識の特徴を、聴覚、視覚情報の相互作用(特にマガーク効果)の観点から、検討、解析する目的で、本年度は、その刺激画像、音声の作成とその予備的計測を行った。 (1)マガーク効果検査システムの構築:現有の設備ならびに、本研究費による新規購入の備品を使用して、日本語用マガーク効果検査システムを作成した。日本人では、英語圏のデーターに比べて、本効果がが起きにくいとされているが、実際、C(子音)V(母音)からなる1音節単位での刺激では、その効果の発現個人差が大きく、ほとんど本効果が起こらない被験者もいた。そこで、発現率の改善を目的として、刺激音圧やCVの提示条件の工夫を行い、その効果を検討した。その結果、聴覚入力の音圧条件を低くしたり、背景雑音を同時に提示することで、その発現率は上昇し、またその効果の再現性も安定することが判明した。 (2)難聴者のマガーク効果を測定:前述の計測で、健聴者に対する予備的計測をおこなったが、同時に難聴者に対しても(1)で試作した刺激を使ってマガーク効果を測定した。難聴者の場合、正常被験者と異なり、聴覚刺激自体に対して異聴が起こることがあった為、正常者と同様の単純な解析をすることは困難なことがありえた。難聴者では、その異聴傾向の質により結果が異なるようにおもわれ、例年度にさらなる計測結果の蓄積が必要であると思われた。
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