1999 Fiscal Year Annual Research Report
合成単鎖DNAによるヒト末梢リンパ球および扁桃リンパ球IgE産生抑制の試み
Project/Area Number |
11671675
|
Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
藤枝 重治 福井医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (30238539)
|
Keywords | 合成DNA / IgE / IFN-γ / PBMC / IL-4 / anti-CD40 / CpGモチーフ |
Research Abstract |
IgE産生はInterleukin-4とT細胞上のCD40Ligandの2つのシグナルによってB細胞から誘導され、Interferon-γ(IFN-γ)、IL-12にて抑制的に働くことが証明されている。結核菌(BCG)由来のDNA、MY-1はIFN-γ誘導が高いことが判明している。そこで各種濃度のMY-1をIgE産生系に添加し、IgEの産生を抑制するかどうか検討した。その結果、MY-1の濃度上昇に伴いIgEの産生が有意に抑制された。IgEの抑制率は症例によりばらつきは認められたが、80%の症例において50μg/mlのMY-1濃度で有意にIgE産生抑制が認められた。培養した後の培養上清中のIFNγは亢進していた。抗IFNγ抗体と抗IL-12抗体の添加は、MY-1のIgE産生抑制を部分的に解除させた。 MY-1の構成成分を断片化することにより、6塩基からなる30塩基のDNAがIFNγをもっとも産生させることが判明した。そこで、この30塩基の単鎖DNAを出発点にし、それぞれの塩基配列部分を少しずつ変更することによって、もっともIgE産生を抑制する合成DNAを決定した。その結果、IgE産生抑制においては活性中心の6塩基が人工的に合成したCGTACGパリインドローム構造では効果的ではあったが、パリインドローム構造を崩したCGTTCGの構造がもっともIgE産生を抑制することが判明した。
|
-
[Publications] FUJIEDA, S. et al.: "DNA from Myeobacterium bovis Bacillus Calmetle-Guerin (MY-1) inhibits Immunoglobulin E production by human Lynphocyte"Am. J. Respir Crit Care Med. 160. 2056-2061 (1999)
-
[Publications] 藤枝 重治 他: "結核菌DNAおよび合成単鎖DNAによるIgE産生抑制の試み"日本鼻科学会会誌. 38. 84-90 (1999)