2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11671676
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
北野 博也 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (20153108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 宏 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (40079736)
鈴木 幹男 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (00226557)
矢澤 代四郎 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (60127040)
遠山 育夫 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20207533)
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Keywords | メニエール病 / 内リンパ水腫 / バソプレッシン / 分子生物学 / 内耳水代謝 |
Research Abstract |
メニエール病の本態は内リンパ水腫であるとされているが、その原因は未だ不明である。われわれは、分子生物学的手法を用いて内耳水代謝に関与する可能性のある神経ペプチドの研究を進めてきた。 今回の一連の研究では、初年度に内耳水代謝の中心をなすと考えられるバソプレッシンを負荷することによる神経ペプチドないしはそれら受容体の変化を、ラット内耳において定量的RT-PCR法を用いることにより調べた。本実験の結果、バソプレッシンとその他の水代謝に関わると考えられている神経ペプチドとの相互関係が明らかにされた。また、内耳ではバソプレッシンが主として内耳の水代謝に関わっていることを明らかにした。 更に、従来あまり明らかにされていなかったバソプレッシン受容体の内耳での発現をin situ hybridization法により検索した。その結果、バソプレッシン受容体が内耳血管条でも発現していることがわかった。これら一連の実験的事実は、内耳水代謝の中心的神経ペプチドとしてバソプレッシンが関与していることを強く示唆する所見と考える。 また、ヒトバソプレッシンV2受容体のクローニングとその発現に成功した。バソプレッシン受容体拮抗薬を作用させるとバソプレッシンの発現は抑制された。以上のことより、バソプレッシン受容体拮抗薬は、メニエール病に有効な薬剤となり得る可能性がある。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yazawa Y,Kitano H, et.al.: "Effect endolymphatic-perilymphatic fistula on endo lymphatic hydrops in guinea pig."Otolaryngal Head & Neck surg. 112. 119-123 (2000)
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[Publications] Takeda T,Takeda S,Kitano H et al: "Endolymphatic hydrops induced by chronic administration of vasopressin."Hearing Res. 140. 1-6 (2000)