1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11671678
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 佳文 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80283779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 武 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (30107031)
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Keywords | セキセイインコ / ITD / Laminaris / 聴覚 / 細胞内記録 |
Research Abstract |
予備実験として、セキセイインコが聴覚中枢における神経回路網の解析に適した実験動物になり得るかを、解剖学的、電気生理学的に検討を行った。両内耳からの聴神経は同側の聴神経核である大細胞核(Nucleus Magnocellularis,NM)に投射し、同神経核細胞は両側の聴神経核である角状核(Nucleus Laminaris,NL)に投射する。両耳からの入力が最初に統合されるNLの神経細胞はニワトリでは単層に配列し、フクロウでは比較的大きな核内に広く疎に分布する。本研究において解剖学的検討を行ったところセキセイインコではその中間の様式、つまり数層の列状の細胞配列が認められた。このことはニワトリより容易に単細胞記録しうる可能性を示唆した。また細胞外記録法により、NLの細胞が、フクロウで良く知られているように、両耳間時間差(Interaural Time Difference,ITD)特異的に、且つ周波数特異的に反応することを見出した。これらの事実はセキセイインコもフクロウと同様、聴覚中枢における神経回路網の解析に適した実験動物であることを示している。本研究の目的である音源定位認識機構の解析に代表される両耳情報統合機構の解析には、NL細胞からの細胞内記録による解析が重要な情報をもたらすと考えられる。その細胞内記録に必要な解剖学的、電気生理学的知見をこれまでの研究で得た。これらの研究の一部はCalifornia Institute of Technology(カリフォルニア工科大学)小西正一教授との共同研究で行っている。
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