1999 Fiscal Year Annual Research Report
内リンパ水腫形成におけるバゾプレッシンによる内耳液性制御の役割に関する研究
Project/Area Number |
11671685
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
竹田 泰三 高知医科大学, 医学部, 教授 (50115763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿木 章伸 高知医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (60243820)
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Keywords | メニエール病 / バゾプレッシン / 抗利尿ホルモン / 内リンパ水腫 |
Research Abstract |
内耳の液性制御には様々なホルモンやペプチドが関与しているが、中でもバゾプレッシンは内耳のAdenylate cyclaseを介して、生物学的活性を有することが分かっている。このようなホルモンやペプチドは、メニエール病の病態である内リンパ水腫の形成に関与している可能性が考えられる。本研究ではモルモットにバゾプレッシンを負荷することにより、内リンパ水腫を形成するか実験を行った。また、さらにバゾプレッシン急性負荷によって蝸電図にどのような影響を与えるか検討した。まず、慢性負荷であるが、コントロール群では生理食塩水を、負荷群では200、400、1000μU/kg/minのそれぞれの量で7日間浸透圧ポンプを用い全身投与した。各群の動物は組織を採取し標本を作成し、画像解析システムで内リンパ腔の体積を定量した。内リンパ腔の増加率はコントロール群の5.2±1.7%に比べ200μU/kg群では4.4士0.7%と有意な増加はなかったが、400μU/kg群では10.4±1.8%、1000μU/kg群では17.4士7.9%と有意に増加していた(p<0.05)。今回の結果から過剰なバゾプレッシンがメニエール病の病態である内リンパ水腫を作り得ることが明らかになった。次にモルモットにパゾプレッシンを急性全身投与し蝸電図の変化を調べた。この実験では急性負荷することによって、メニエール病に特徴的なSP/AP比(Summating potential/Action potential)の上昇を確認した。臨床的に我々はすでにメニエール病患者において血漿バゾプレッシンが高値となることを明らかにしており、今回の実験結果もメニエール病の病態にバゾプレッシンが関与していることを支持していると考えた。
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Research Products
(1 results)