2000 Fiscal Year Annual Research Report
中耳炎発症最前線における分子生物学的動態の解明-不死化耳管上皮細胞倍養系でのウイルス感染時の動的変化-
Project/Area Number |
11671688
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
鈴木 正志 大分医科大学, 医学部, 教授 (60211314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茂木 五郎 大分医科大学, 医学部, 副学長 (20035190)
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Keywords | 耳管粘膜 / 鼓室粘膜 / 中耳炎 / 細胞培養 / 不死化 |
Research Abstract |
ラット鼓室粘膜細胞の初代倍養系は既に確立されている。さらに同細胞の不死化に成功し、長期培養系が確立された(Ann Otol Rhinol Laryngol 1999 accepted)。ラット耳管上皮細胞の初代培養系の確立には既に成功している。ラット鼓室粘膜細胞の不死化の技術を同耳管粘膜細胞の初代培養系に応用し、現在不死化を試みつつある。未だ成功に至っていないので、今後も引き続き行う。本法はadeno-SV40 hybrid virusを用いたtransinfection法であり、transinfection後、長期間の培養保持と変異細胞の観察ならびに目標の形質発現の確認が必要である。そのために、形態学的には電子顕微鏡的検討、上皮細胞のマーカーであるサイトケラチンを指標とした免疫組織学的解析を行い、また、染色体解析を行い、初代培養細胞の形質保持を確認する。同目的でWestern blotting法によるSV40の発現の確認も行う。同時にラット耳管粘膜下に存在する腺細胞の初代培養系の確立をめざし、感染時などの病的状態における腺細胞の変化も併せて検討中である。他施設(米国、House Instetute)にてラット腺細胞の不死化に成功しているので、同施設の方法を応用し、腺細胞初代培養系を不死化培養系のそれぞれの性格付けを行い、形質保持を確認する。その後、上皮細胞培養系と腺細胞培養系を組み合わせウイルス感染時の動的変化を検討する。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Suzuki M.,Watanabe T.,Mogi G.: "Clinical, bacteriological, and histological study of adenoids in children."Am J Otolaryngol. 20(2). 85-90 (1999)
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[Publications] Hirano T.,Kurono Y.,Ichimiya I.,Suzuki M.,Mogi G.: "Effects of influenza A virus on lectin-binding patterns in murine nasopharyngeal mucosa and on bacterial colonization."Otolaryngology Head and Neck Surgery. 121(5). 616-621 (1999)
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[Publications] 鈴木正志,児玉悟,坂本菜穂子,茂木五郎: "口蓋扁桃摘出術のインフルエンザ菌特異的免疫応答に及ぼす影響"口腔咽頭科. 11(2). 277-285 (1999)
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[Publications] 児玉悟、末永智,平野隆,鈴木正志,茂木五郎: "経鼻ワクチンによる中耳粘膜抗原特異的免疫応答の誘導"Otol Jpn. 9(4). 307 (1999)
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[Publications] 末永智,児玉悟,植山茂宏,鈴木正志,茂木五郎: "中耳粘膜におけるリンパ球の解析"耳鼻咽喉科免疫アレルギー. 17(2). 186-187 (1999)
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[Publications] Kodama S.,Suenaga S.,Hirano T.Suzuki M.,Mogi G.: "Induction of specific immunoglobulin A and Th2 immune responses to P6 outer membrane protein of nontypeable Haemophilus influenzae in middle ear mucosa by intranasal immunization"Infect Immun. 68(4). 2294-2300 (2000)