2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11671689
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Research Institution | Oita Medical University |
Principal Investigator |
一宮 一成 大分医科大学, 医学部, 助教授 (70223112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 和秀 大分医科大学, 医学部, 助手 (10305055)
鈴木 正志 大分医科大学, 医学部, 教授 (60211314)
茂木 五郎 大分医科大学, 医学部, 副学長 (20035190)
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Keywords | 内耳 / 蝸牛 / ラセン靭帯 / 線維細胞 / 細胞培養 / ギャップ結合 / コネキシン26 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
1)マウスラセン靱帯線維細胞を、酵素抗体法にてギャップ結合蛋白コネキシン26に対して染色した。コネキシン26は組織学的にはラセン靭帯線維細胞に発現することが知られているが、我々の培養細胞においても発現することが示された。 2)培養ラセン靱帯線維細胞における、ギャップ結合を介したラセン靭帯線維細胞間の交通をin vitroで解析するために、以下の2つの方法を試みた。 2-1)Scrape loading法 ギャップ結合を通過しうる蛍光色素と通過出来ない蛍光色素とを混合して培養液中に入れた後、プレート上の培養細胞にメスで軽く線状の切開を加えることにより、2種の色素を細胞内に移行させた。蛍光顕微鏡下に観察し、蛍光色素の入った細胞に隣接した細胞へ、ギャップ結合通過性の色素が移行するかどうかを調べた。しかし隣接した細胞には色素は観察されず、ギャップ結合を介した細胞間の交通を確認することは出来なかった。しかし、ギャップ結合不通過性の色素が移行した細胞数も少なかったことより、手技的な問題点が大きいと思われる。蛍光色素を効率的に細胞内に入れる方法の開発が必要と思われた。 2-2)パラシュート法 培養細胞をプレートより剥離し、培養液中にsingle cell suspensionとした。その後、ギャップ結合を通過しうる蛍光色素と通過しない蛍光色素の2種を細胞内に入れる操作をし、色素の入った細胞を、ラセン靭帯線維細胞を培養してあるプレート上にまいた。ギャップ結合を介してプレート上の培養細胞に色素が移行するか否かを、蛍光顕微鏡下に観察した。色素の移行を認めた細胞も少数観察できたが再現性は十分でなく、定量的解析を行うのは困難であった。 本培養細胞ではギャップ結合が十分に機能していないのか、機能解析手技自体に問題があったのかは不明である。より確かなギャップ結合の機能解析法に関して、今後さらに検討していきたい。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Shimazaki T, Ichimiya I, et al.: "Localization of glucocorticoid receptors in the murine inner ear"Ann Otol Rhinl Laryngol. 111. 1133-1138 (2002)
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[Publications] 一宮一成, 鈴木正志, 茂木五郎: "実験的肺炎球菌性中耳炎蝸牛におけるNa-K-Cl共輸送体の分布"日耳鼻. 105. 533 (2002)
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[Publications] 吉田和秀, 一宮一成: "グルココルチコイドによるラセン靭帯線維細胞のサイトカイン分泌抑制"耳鼻免疫アレルギー. 20. 86-87 (2003)
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[Publications] 一宮一成, 吉田和秀: "内耳炎とラセン靱帯の関わり"耳鼻免疫アレルギー. 20. 132-133 (2003)
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[Publications] Ichimiya I, Yoshida K, et al.: "Expression of adhesion molecules by cultured spiral ligament fibrocytes stimulated with proinflammatory cytokines"Ann Otol Rhinol Laryngol. (in press). (2003)
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[Publications] 一宮一成: "ラセン靭帯の関わる難聴病態"Otol Jpn. (in press). (2003)