1999 Fiscal Year Annual Research Report
人工内耳効果判定のための蝸牛電気刺激試験客観的評価法への脳血流SPECTの応用
Project/Area Number |
11671691
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
東野 哲也 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (80145424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長町 茂樹 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (40180517)
陣之内 正史 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (60154423)
牛迫 泰明 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (10185001)
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Keywords | 人工内耳 / 脳血流SPECT / 電気聴覚 / 聴覚リハビリテーション |
Research Abstract |
本年度は言語習得後高度難聴成人9例11耳を対象にして、脳血流SPECT検査についてのインフォームドコンセントを得た後、蝸牛電気刺激による脳血流分布の変化を検討した。局所脳血流の変化は、安静時と蝸牛電気刺激時に測定したSPECTデータの比較により評価した。 蝸牛電気刺激により聴覚野を中心とした側頭葉に明らかな血流増加を確認できた例を(+)、増加傾向を認めた例を(±)、増加が全く認められなかった例を(-)とすると、(+):6耳、(±):3耳、(-):2耳であった。このように、promontory stimulatorによる電気刺激で聴覚野の賦活が脳血流SPECTにより客観的に確認され得ることがわかった。 11耳中8耳に人工内耳手術を行ったが、人工内耳成績良好例6耳の脳血流SPECT賦活所見は(+)が4耳、(±)が2耳で、成績不良例2耳のそれは(+)が1耳、(-)が1耳であった。この結果は、人工内耳成績が良い例においては、術前の脳血流SPECTで蝸牛電気試験による側頭葉の賦活が確認できることを示している。ただ、明らかな血流増加がSPECTで認められる例でも、人工内耳成績が悪い例もあり、今後さらに症例を重ねて検討する必要がある。次年度は症例数の増加により、人工内耳成績と統計学的画像解析法(SPM)を用いた脳血流増加率との定量的な分析も可能になると考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 鍋倉 隆: "突発性難聴再発例の蝸電図所見"Audiology Japan. 42. 211-216 (1999)
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[Publications] 東野 哲也: "人工中耳の経験とその術後成績"日本耳鼻咽喉科学会会報. 102. 835-845 (1999)
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[Publications] 清水 謙祐: "人工内耳症例における術後めまいの検討"Otology Japan. 9. 588-593 (1999)
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[Publications] 東野 哲也: "急性高度難聴症例の人工内耳成績"Audiology Japan. (掲載予定).