1999 Fiscal Year Annual Research Report
内耳におけるグルタミン酸放出とその起源・放出様式の研究
Project/Area Number |
11671692
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
松田 圭二 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (40253835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥原 康治 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (30264386)
河野 浩万 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (20204745)
春田 厚 宮崎医科大学, 医学部, 講師 (90201722)
小宗 静男 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (10117434)
東野 哲也 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (80145424)
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Keywords | グルタミン酸 / 薬剤性内耳障害 / カナマイシン / エタクリン酸 / 細胞外カルシウム |
Research Abstract |
まず、モルモットにカナマイシン (KM) とエタクリン酸 (EA) を同時投与し、急性の有毛細胞障害を惹起し、その間の鼓室階外リンパにおけるグルタミン酸 (GLU) 濃度の変化を測定した。それぞれ単剤ではGLU濃度は変化しなかった。 2剤投与では、EA静注2時間後ぐらいより急激なGLUの上昇が観察された。組織学的検討で2剤投与時にのみ外有毛細胞の崩壊所見が認められ、少なくとも外有細胞はGLUの起源の一つであると考えられた。 つぎに、同様の実験をカルシウムを除去した透析液を潅流しながら行い、さきの実験結果と比較した。それぞれ単剤ではGLU濃度は変化しなかった。さきの実験の2剤投与でみられた急激なGLUの上昇が、カルシウムフリーの条件では全く観察されなかった。 以上の結果から少なくとも、1) 薬剤性の内耳障害の過程で、グルタミン酸毒性による障害も病態形成に関与している可能性が高い。2) 薬剤による有毛細胞障害発現には細胞外カルシウムが深く関与していること、が推測された。今後は、薬剤性有毛細胞障害に中心的な役割を演じていると考えられているフリーラジカルの発現が、グルタミン酸や細胞外カルシウムの細胞内流入とどのように関連しているのかを明らかにする必要がある。
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Research Products
(1 results)