2000 Fiscal Year Annual Research Report
鼻アレルギーにおけるヘルパーT細胞のサイトカイン産生能と治療効果に関する研究
Project/Area Number |
11671693
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
黒野 祐一 鹿児島大学, 医学部, 教授 (80153427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出口 浩二 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 助手 (50315438)
宮之原 郁代 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 講師 (40305131)
松根 彰志 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (00253899)
西元 謙吾 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 助手 (50305132)
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Keywords | 鼻アレルギー / ヘルパーT細胞 / Th2 / Th1 / サイトカインプロファイル / 治療効果 |
Research Abstract |
前年度に、抹消血と口蓋扁桃組織より単核球を分離し、フローサイトメトリーを用いて、CD4陽性細胞にゲートをかけてIL-4、INF-γそれぞれの陽性細胞を検出し、そのパーセンテージを計測する手技を確立した。IL-4、INF-γ陽性細胞はそれぞれTh1型、Th2型ヘルパーT細胞であると考えられ、このプロファイルの変動が鼻アレルギーの症状に大きく関与するものと考えられる。 アレルギーを持たない患者で末梢血および肩桃のTh1型、Th2型ヘルパーT細胞の比(Th2/Th1)を計算すると、扁桃が0.233、末梢血が0.163であった。アレルギー患者では、扁桃が0.556、末梢血が0.270と非アレルギー患者に比べて若干高い傾向にある。しかし、まだ症例数が少なく、有意差が得られるまでに至っていない。 次に、サイトカインレベルで好酸球の遊走抑制やTh1型、Th2型ヘルパーT細胞の正常化と言ったユニークな作用を持つ抗アレルギー剤であるトシル酸スプラストを鼻アレルギー患者に投与し、短期的なサイトカインプロファイルの変動を検索した。トシル酸スプラスト投与前、投与2週後、投与4週後の患者末梢血Th1型、Th2型ヘルパーT細胞の比(Th2/Th1)は短期的に減少する例もあるが、全く変動しない例も存在する。減少例はトシル酸スプラスト有効例が多く、無変化例はトシル酸スプラスト無効例が多い傾向にあった。現在、トシル酸スプラスト長期使用例や、特異的減感作療法例のサイトカインプロファイルがどのように変動しているかを検討しつつ、症例数を蓄積して有効、無効例の更なる相違を明らかにしつつある。
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[Publications] Kengo Nishimoto: "The Role of Thymidine Phosphorylase in the Pathogenesis of Allergic Rhinitis"Acta Otolaryngology. 120. 644-648 (2000)
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[Publications] Shoji Matsune: "Application of YAMIK sinus catheter for Patients with paranasal Sinusitis with and without nasal allergy"Auris Nasus larynx. 27. 343-347 (2000)