2000 Fiscal Year Annual Research Report
高時間分解能のマルチダイポール推定による聴覚弁別処理に関与する神経回路網の解析
Project/Area Number |
11671695
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University of Health Sciences |
Principal Investigator |
菊池 吉晃 東京都立保健科学大学, 保健科学部, 教授 (50134739)
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Keywords | 脳磁界 / マルチダイポール / oddball課題 / 海馬 / 前頭前野 / P3 |
Research Abstract |
全頭型脳磁界計測システムは無侵襲で脳内神経活動をきわめて高い時間分解能で計測できる。同システムの時間分解能はmsecオーダーであり、他の無侵襲脳機能計測法であるIMRI,PET,NIRSを凌駕するという点できわめて有効である。本研究では、64チャンネルの全頭型脳磁界計測システムから出力される脳磁界信号に基づいて、高時間分解能でマルチダイポール推定をするための解析系を構成し、聴覚関連情報の弁別に伴う脳内活動について検討した。 推定位置をMRI画像上へ重畳するための支援ソフト、MRI画像の処理ソフト、その他一連の脳磁界処理に必要なツールを作成した。また、同時多発的な脳内発生源に対応するマルチダイポール推定を行う際の推定基準について検討した結果、以下がその基準として妥当であることが確認された。(1)等磁界線図における複数の極大領域と極小領域から、対を選択する基準として、片半球に存在する対を優先するとともに最近接するものを対の最優先候補として採用する。(2)推定誤差の基準として、2,3,4ダイポールの場合、それぞれ上限を20%,15%,10%程度とする。(3)推定ダイポールの時空間的安定性・連続性に基づき推定を行うことを原則とする。 これに基づき、聴覚関連情報の弁別に伴う脳内活動についてodd-ball課題を用いて検討した結果、(1)聴覚情報固有の処理に関与する聴覚野の活動、(2)前頭前野、帯状回など、注意の制御に関与するネットワークの活動、(3)背外側前頭前野、海馬、頭頂連合野、側頭連合野など、記憶に関与するネットワークの活動が、初期ではほぼこの時間軸に沿って、後期ではこれらの活動が並行することが確認された。
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[Publications] Kakimoto,M.,Morita,C.,Tsukimoto,H.,Kikuchi,Y.: "Data mining fron functional brain images"Working Notes of the First International Workshop on Multimedia Data Mining, Association of Computing Machinery(ACM), USA.. 91-97 (2000)
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[Publications] Nishimura,C.,Kumagai,T.,Kikuchi,Y.,Endo,H.: "Neuromagnetic fields elicited by a bimodal input"Proceedings of the 12^<th> International Conference on Biomagnetism August 13-17 Helsinki University of Technology, Espoo, Finland. 79 (2000)
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[Publications] 田中雅行,菊池吉晃,山口佳子,斎藤幸子,吉澤修治 他: "線画呈示に伴う脳内活動部位の時間変化"日本電気学会計測研究会資料. IM-00-59〜67. 1-5 (2000)
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[Publications] 西村千秋,熊谷徹,菊池吉晃,寺田和子: "異種感覚同時入力時の脳磁界反応"医用電子と生体工学. 第38号. 89 (2000)
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[Publications] 西村千秋,熊谷徹,菊池吉晃: "異種感覚統合を含む脳内情報処理過程の脳磁気による検討"日本生体磁気学会誌. 第13巻. 130-131 (2000)
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[Publications] 菊池吉晃,河野光伸,池田由美,井上薫: "全頭型脳磁界計測システムを用いたmulti-dipole tracingの可能性に関する検討"東京保健科学学会学術集会抄録集. 第5回. 28 (2001)