2001 Fiscal Year Annual Research Report
サル外側終止核の水平、垂直視運動性眼振へ及ぼす影響と脳幹内での投射様式
Project/Area Number |
11671710
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
渡辺 昭司 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (00257396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 正 山形大学, 医学部, 助教授 (10125776)
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Keywords | 視運動性眼振 / 視索核 / サル / 外側終止核 |
Research Abstract |
ネコ、サルにおいて視運動性眼振の第一次中継核である視索核からの脳幹内での投射様式には3経路があることがわかっている(Watanabe '93; Kato '95;渡辺昭司'95a;渡辺昭司'95b)。第一には交連線維を介し対側の視索核へ投射するもの、第二に下部脳幹まで軸索を伸ばし直接前庭核に投射する経路、第三に橋核に投射する弱い経路である。第一の経路は強い投射が確認されているが、その生理学的な研究は進んでいない。今回の研究で、一側の視索核から体側へ投射する線維連絡を遮断してその役割を解明した。第二の経路は下部脳幹へ投射する途中で外側終止核へ側枝を出す。この外側終止核を破壊して視運動性眼振を観察した。結果:(1)両側視索核間を遮断するとそれぞれの動物において視運動性眼振の緩徐相速度の初期急速増加及び最大緩徐相速度の有意な低下が認められた。視運動性後眼振は影響されなかった。組織免疫学的な報告と合わせると、それは両側視索核間の投射は興奮性ニューロンを介した投射であり、それは反対側の抑制性の細胞内ニューロンへ投射している可能性を示唆する所見と思われた。(2)外側終止核を破壊すると上向きに緩徐相を持つ視運動性眼振が解発されなくなった。下向きの視運動性眼振は障害されなかった。水平成分については障害側に向緩徐相を持つ視運動性眼振に軽度の解発不良が認められた。この結果は、外側終止核が視運動性眼振の上向き緩徐相眼振を担っているが水平成分からもなんらかの影響をされていることを示唆した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 渡辺昭司, 加藤 功, 服部康介, 中村 正: "サルにおける両側視索核間の投射遮断による視運動性眼振に及ぼす影響について"Equibrium Research. 59・1. 73-83 (2000)
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[Publications] S.Watanabe, NT Christopher, AF Fuchs: "Flexibility of saccade adaptation in the monkey : different gain states for saccades in the same direction"Exp Brain Res. 130. 169-176 (2000)
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[Publications] Robinson, F., Noto, C., Watanabe, S.: "Effect of visual background on saccadic adaptation in monkeys"Vision Research. 40. 2359-2367 (2000)
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[Publications] 服部康介, 渡辺昭司, 中村 正, 加藤 功: "ヒト前庭動眼反射の適応現象における他の周波数および角速度への移行について"日耳鼻. 103. 1186-1194 (2000)
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[Publications] 東 美紀, 渡辺昭司, 服部康介, 肥塚 泉: "振子様OVARを用いた耳石機能評価"Equibrium Research. 60. 456-463 (2001)
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[Publications] S Watanabe, I Kato, K Hattori, M Azuma, T Nakamura, I Koizuka: "Effects on the optokinetic system of midline lesions in the pretectum of monkeys"J Vestibular Research. 91. 73-78 (2002)
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[Publications] 渡辺昭司: "耳鼻咽喉科診療プラクティス.視運動性眼振"文光堂. 208-212 (2002)