2000 Fiscal Year Annual Research Report
内リンパ嚢マクロファージの組織学的および機能に関する研究
Project/Area Number |
11671715
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
原田 保 川崎医科大学, 医学部, 教授 (30165021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹本 琢司 川崎医科大学, 医学部, 講師 (10248239)
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Keywords | 内リンパ嚢 / マクロファージ / 内リンパ水腫 / サイトカイン / 蝸電図 |
Research Abstract |
内リンパ水腫の成因に関していろいろな原因を上げることができるが、明確な事実はない。我々は内リンパ水腫など含めた内耳の組織学的、機能学的変化と内リンパ嚢マクロファージの関係について研究してきた。実験計画に従い遺伝的にマクロファージの活性のないC3H/He Jマウス(n=5)をアナフィラトキシンで全身的に刺激するとライスネル膜、コルチ器、蝸牛神経節細胞、内リンパ嚢などには変化がみられなかったが、血管条に萎縮が存在した。内リンパ嚢内マクロファージの数は平均2.6個であった。12年度は同じ実験をマクロファージの活性のあるCH/Heマウス(n=5)で行った。コルチ器、蝸牛神経節細胞、内リンパ嚢などに形態学的変化を認めなかったが、一部の個体にライスネル膜の伸展や、血管条の萎縮を認めた。また内リンパ嚢内マクロファージの数は平均4.6個であった。 12年度確立した中耳骨包を開放して自家製の銀ボール電極を使用した蝸電図検査において両者のマウスで有意な差は認められなかったが、現在更に例数を増やし検討中である。また、現在ラットの内リンパ嚢マクロファージを培養中である。培養状態が安定後、C3aおよびC5aで刺激後のIL-1β,TNF-α,IL-4,IL-6を測定する予定である。これらの結果より内リンパ水腫を含む内耳形態および機能面に関する内リンパ嚢マクロファージの役割について本年度明確にする。
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Research Products
(2 results)