2000 Fiscal Year Annual Research Report
視覚情報処理におけるヒスタミンの関連及びその機構についての基礎的研究
Project/Area Number |
11671721
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中川 陽一 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (10282063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷内 一彦 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50192787)
富田 浩史 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40302088)
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Keywords | ヒスタミン / H3受容体 / 視覚情報処理 |
Research Abstract |
ヒスタミンと視覚情報処理機構の関連解明のために、片眼摘出モデル、ヒスタミン合成酵素の特異的阻害剤である(S)-αメチルヒスタミン(FMH)投与モデルを作成し、その後脳内視覚関連領域での特にヒスタミンH3受容体の変化について検討した。H3受容体ラジオリガンド結合実験は以下のように行った。ヒスタミンH3受容体のリガンドとしては[3H](R)α-メチルヒスタミンを用い、非特異的結合は10mMチオペラミドにより評価した。実験モデルの脳切片標本を反応後、洗浄、乾燥させトリチウム用イメージングプレートと5〜7日間コンタクト。イメージングプレートの画像解析はバイオイメージングアナライザーBAS 5000(富士写真フィルム社製)を用いた。 成熟ラットに対して片眼摘出を行ったモデルでは、片眼摘出後5日目より45日目まで、対側上丘での明らかなH3受容体のup-regulationが観察された。これに対して、成熟ラットにFMHを腹腔内投与したモデルにおいては、上丘での明らかなH3受容体のup-regulationは観察されなかった。また同様のモデルでは片眼摘出後上丘でのH1、H2受容体に変化は観察されなかった。 以上の結果から、片眼摘出後の上丘でのヒスタミン受容体のup-regulationはH3受容体に特異的であること、またこの現象にはやはり眼球摘出という除神経が必要であることが確認された。
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