1999 Fiscal Year Annual Research Report
マウスヘルペス網膜炎モデルを用いたウイルス特量的T細胞とケモカインによる治療
Project/Area Number |
11671723
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 聡 東京大学, 医学部・附属病院・分院, 講師 (20277114)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沼賀 二郎 東京大学, 医学部・附属病院・分院, 講師 (30189352)
|
Keywords | ヘルペス網膜炎 / ケモカイン / Th1サイトカイン |
Research Abstract |
今回、我々はマウスヘルペス網膜炎モデルを用いて活性化T細胞特異的ケモカインの役割を検討した。まず、実験モデルはBalb/cマウスの右眼にHSV-1(KOS strain)を眼内注射し、7〜8日後に左眼に発症するヘルペス網膜炎を観察した。8日目における左眼の網膜炎の発症率は約70%で、眼内に現れる炎症細胞の経時的推移を免疫組織学的に調べた。炎症細胞浸潤は、炎症早期(8日目)には、好中球とNK細胞が主体であったが、11日目以降はT細胞、B細胞、macrophageが増加した。さらに、炎症を起している左眼眼球を摘出しmRNAを抽出した後、RT-PCR法により種々のサイトカイン、ケモカインのmRNAの発現を検討した。その結果、IFN-gamma、TNF-a、IL-12、MIP-2、MCP-1、MIP-1a、RANTES、Mig、IP-10の発現は認められたが、IL-4、IL-10、TARCの発現は認めなかった。眼内の炎症性サイトカインはTh1サイトカイン(IFN-gamma)が主体である事を意味する。また、ケモカイン発現においてもTh1を遊走させるケモカイン(MIP-1a、RANTES、Mig、IP-10)の発現は認めるが、Th2遊走性ケモカイン(TARC)の発現は認めない結果であった。
|