1999 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮細胞機能制御による血管新生の新しい制御法開発と遺伝子治療への応用
Project/Area Number |
11671724
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
山下 英俊 山形大学, 医学部眼科, 教授 (90158163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大沼 郁子 山形大学, 医学部, 助手 (50234563)
川崎 良 山形大学, 医学部, 助手 (70301067)
高村 浩 山形大学, 医学部, 講師 (10197204)
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Keywords | 糖尿病網膜症 / 虚血 / 新生血管 / 血管内皮細胞 / 周皮細胞 / サイトカイン / TGF-β / VEGF |
Research Abstract |
1)培養細胞を用いた研究:血管内皮細胞-ヒト皮膚毛細血管由来の細胞を用いた。毛細血管由来の細胞は網膜由来のものも用いる。さらに血管内皮細胞機能に影響を与えうる細胞として網膜毛細血管由来周皮細胞も用いた。 2)周皮細胞機能の解析:周皮細胞の増殖制御に対するサイトカインネットワークについて検討したところ、増殖抑制作用をもつTGF-β2と増殖促進作用をもつプラスミンは相互作用を及ぼしネットワークを形成していた。 3)血管内皮細胞の細胞外基質産生制御:細胞運動に関与する細胞外基質産生制御メカニズムについて細胞内シグナル伝達を検討した。細胞外基質としてヒアルロン酸をとりあげ、その産生酵素の発現制御を検討した。毛細血管内皮細胞はヒアルロン酸の合成酵素(HAS1,HAS2,HAS3)の遺伝子を発現していた。TG-βとPDGF-BBは発現の上昇効果を示し、相乗作用がみられた。 4)生体レベルでの検討:細胞レベルでの知見が実際の血管新生に応用出来るかを臨床材料を用いて検討した。血管新生がみられる増殖糖尿病網膜症の手術材料での各種のサイトカインの発現について検討した。増殖糖尿病網膜症での血管新生促進因子としてはVEGF,P1GF,IL-6,TGF-βなどの上昇がみられた。一方、血管新生抑制因子としてのPF-4、エンドスタチンの発現がみられ、後者はVEGFとならんで発現が上昇した。また血管新生抑制に作用しているかどうか不明であるがアクチビンAの発現がみられた。これらの因子が血管新生、硝子体出血などの増殖糖尿病網膜症の病態の形成に際してネットワークを形成しているのが示唆された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Yamashita H,et al: "Expression of placenta growth factor in ischemic retinal diseases."Eye. 13. 372-374 (1999)
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[Publications] Yamada H,Yamashita H et al: "Expression of TGF-β superfamily receptors in developing rat eyes."Jpn.J.Ophthalmol.. 43. 290-294 (1999)
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[Publications] Ideta R,Yamashita H et al: "Roles of cytokines in diabetic retinopathy."Arch.Opthalmol. 177. 700-701 (1999)
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[Publications] 山下 英俊、川崎良: "糖尿病網膜症の分子病態。"医学のあゆみ. 191. 539-545 (1999)
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[Publications] 山下 英俊: "糖尿病網膜症の分子メカニズム"医学のあゆみ. 192. 615-620 (2000)
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[Publications] 山下 英俊: "糖尿病網膜症の病態とサイトカイン・増殖因子のネットワーク"内分泌・糖尿病科. 9. 182-191 (1999)
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[Publications] 山下 英俊 他: "平滑筋細胞学"メジカルセンス(分担執筆). 215ページ(101-108分担) (1999)