2000 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍関連網膜症に関与する新しい網膜特異抗原遺伝子の構造と機能解析
Project/Area Number |
11671728
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Research Institution | SHINSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
菊池 孝信 信州大学, 機器分析センター, 助教授 (50177797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋元 正行 信州大学, 医学部, 助手 (90303453)
吉村 長久 信州大学, 医学部, 教授 (70211662)
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Keywords | 腫瘍関連網膜症 / 自己抗体 / 網膜特異抗原 / RNA結合性蛋白 / 染色体マッピング / 遺伝子構造 |
Research Abstract |
本研究では癌関連網膜症の患者血清が認識する網膜特異抗原として新たに単離されたPTB-like protein (PTBLP)に関する解析を行ってきた。 (1)ヒトPTBLPのcDNAクローニング 当初、PTBLPのcDNAクローンは新生児ラットのcDNAライブラリーから患者血清を用いた発現スクリーニングによって単離された。ラットのcDNA断片をプローブとして、ヒト網膜由来のcDNAライブラリーから単離した。ヒトPTBLPのアミノ酸配列はラットPTBLPと99.6%、ヒトPTBと75.0%の相同性がみられた。 (2)ヒトPTBLP遺伝子のgenomicクローニングと染色体マッピング ヒトPTBLPのcDNAをプローブとしてヒトgenomic-BACライブラリーから2個のクローンを単離した。これらのクローンを分析し、エクソン・イントロン構造を解明した。PTBLP遺伝子は14個のエクソンが80kb以上にわたって分布した大きな遺伝子であった。PTBLPのBACクローンを蛍光標識してFISH法により染色体マッピングを行い、PTBLP遺伝子はヒト染色体第1番短椀の21.3-22.1に存在することが明らかとなった。 (3)患者血清のPTBLPに対する認識部位の検索 PTBLPのcDNAを大腸菌発現ベクターに組み込み、PTBLPの組み換えタンパクを作成した。Western blot法によりこのタンパクを用いて、患者血清の認識部位を検索した。患者血清はPTBLPのC-末端部分にある4番目のRNA認識ドメインを認識した。 (4)PTBLP遺伝子の生理機能を解析するために、神経系培養細胞PC12株を用いてNGFによる神経分化との関連などについて分子生物学および細胞生物学的検討を行った。PTBLPの過剰発現は神経分化を抑制した。現在は、PTBLP遺伝子を欠失したマウスの作成を行っている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takanobu Kikuchi, et al.: "Tabby-like protein 1 as an autoantigen in cancer-associated retinopathy."Journal of Neuroimmunology. 103. 26-33 (2000)
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[Publications] Takanobu Kikuchi, et al.: "Cloning and characterization of a homologue of rat polypyrimidine tract binding protein : a new neuronal autoantigen of cancer-associated retinopathy."Journal of Biochemistry. 128. 811-821 (2000)