1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11671738
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 篤志 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20283773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日下 俊次 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60260387)
大路 正人 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (90252650)
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Keywords | 脈絡膜毛細管板 / 線維芽細胞増殖因子 / 動物実験 / 硝子体手術 |
Research Abstract |
脈絡膜新生血管を伴う難治性黄斑疾患に対して外科的治療法を行う際、脈絡膜新生血管板除去術に伴う網膜色素上皮欠損が術後視機能に大きく影響する。我々は、網膜色素上皮欠損に続発する脈絡膜毛細管板萎縮モデルをウサギを用いて作製し、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)の脈絡膜毛細管板萎縮に対する抑制効果を検討した。ウサギの脈絡膜毛細管板萎縮モデルに対するbFGFの脈絡膜毛細管板萎縮の抑制効果を脈絡膜の血管鋳型標本を作製し、走査電子顕微鏡を用いて定量的に検討した。脈絡膜毛細管板萎縮は意図的網膜剥離を作製後、剥離網膜下の網膜色素上皮を機械的に除去した後、網膜を自然復位させた。術終了後、術後1日、3日、5日目に1μg bFGFあるいはトリスバッファーを硝子体内に注入し、術後7日目に脈絡膜血管鋳型標本を作製した。萎縮部位の中央部を写真撮影し、毛細血管板の面積比および毛細血管板の空隙数を算出し、画像解析を行った。ウサギの脈絡膜毛細管板萎縮モデルにおいては、脈絡膜毛細管板の平均血管床面積は、bFGF投与群では、75.1%、毛細血管間の平均空隙数は124(n=6)であったのに対し、バッファー注入群では、平均血管床面積は67.2%、平均空隙数は75(n=6)であり、bFGF投与群で有意に脈絡膜毛細管板萎縮の抑制を認めた(p=0.037)。術後合併症としても臨床上大きな問題である網膜色素上皮除去後に伴う脈絡膜毛細管板萎縮をbFGF投与により軽減できたことは、術後の視機能を改善させる可能性をもつものと期待される。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hayashi A.ら.: "Surgically Induced Degeneration and Regeneration of the Choriocapillaris in Rabbit"Graefe's Arch Exp Clin Ophthalmol. 237. 668-677 (1999)
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[Publications] Ohji M.ら: "Prevention of Visual Field Defect After Macular Hole Surgery By Passing Air Used For Fluid-Air Exchange Through Water"Am J Ophthalmol. 127. 62-66 (1999)