1999 Fiscal Year Annual Research Report
ラットの光照射視細胞変性と虚血網膜に対するTGF-βや抗緑内障薬の効果
Project/Area Number |
11671748
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
鵜木 一彦 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 講師 (60193926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鮫島 宗文 鹿児島大学, 医学部, 助手 (80041333)
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Keywords | 光照射 / 視細胞変性 / 虚血網膜 / TGF-β / 抗緑内障薬 |
Research Abstract |
骨形成因子(bone morphogenic protein:BMP)は骨誘導作用や上皮-間葉相互作用の誘導作用が知られ、TGF-βスーパーファミリーの一因子である。ラットの胎生期においては、BMPは中枢神経や網膜において発現がみられる。これまでに白色ラット連続光照射性網膜変性モデルにおいて、bFGF、神経栄養因子(BDNF、CNTF)やミッドカイン(MK)の硝子体注入は視細胞変性を遅延し,これらの因子が網膜保護作用があることが明かとなった。今回は、BMPの網膜変性遅延効果を、光照射網膜変性において検討した。 因子として、遺伝子操作によって得られたヒトBMPを用いた。Sprague Dawleyラットの硝子体に、因子を左眼に、コントロールバッファーを右眼に注入した。注入2日後より7日間連続光照射した後に、眼球を得、光学顕微鏡により観察した。網膜変性に対する効果を定量的に評価するために、外顆粒層の厚さを測定した。光照射により視細胞内節・外節は消失し、外顆粒層は2〜3層と減少した。BMP眼では、PBS注入群に比較して視細胞変性は遅延した。一方、ヒトTGF-βは、光照射視細胞変性において遅延効果を示さなかった。BMPがラット網膜においてsurvival promoting activityを持つ可能性があることを示した。
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