2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11671764
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
山本 千加子 関西医科大学, 医学部, 助手 (80288844)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金田 安史 大阪大学, 医学部, 教授 (10177537)
緒方 奈保子 関西医科大学, 医学部, 講師 (60204062)
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Keywords | 脈絡膜新生血管 / 転写因子 / デコイ / HVJリポソーム法 / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
1.実験的脈絡膜新生血管モデルにおける血管新生に関与する転写因子の発現 成熟有色ラットの網膜に強度のレーザー光凝固を行い、脈絡膜新生血管モデルを作成した。経時的に眼球を摘出し、固定の後、凍結薄切切片を作成した。これらの切片に対し、NFkB、ETS-1などの血管新生に関与すると言われる転写因子の発現を免疫組織化学的手法にて検討した。その結果、ラット実験的脈絡膜新生血管モデルにおいて光凝固早期(脈絡膜新生血管形成過程)に、新生血管発生部や、その周囲の細胞にNFkBおよびETS-1の発現がみられた。 2.HVJリポソーム法によるデコイ型核酸の導入 これらの転写因子が結合する転写活性部位と同じ塩基配列を持つ、二本鎖オリゴヌクレオチドを作成し、(デコイ型核酸の作成)蛍光色素(FITC)で標識し、これをHVJリポソームに封入した。対照群として、同じ塩基対でランダムな配列の二重鎖オリゴヌクレオチドを、FITCで標識し同様にHVJリポソームに封入した。デコイ型核酸、あるいは対照群の二重鎖オリゴヌクレオチドを封入したHVJリポソームを、ラットの実験的脈絡膜新生血管モデルに硝子体内注入した。経時的にフルオレセイン蛍光眼底造影を行い、眼球を摘出し、組織学的に検討した。凍結薄切切片のFITCの蛍光は、デコイ型核酸導入群でも対照群でもみられ、HVJリポソーム法によって、光凝固部(新生血管発生部位)に特異的に二重鎖オリゴヌクレオチドが導入されていることが示された。フルオレセイン蛍光眼底造影および組織学的検索からは、NFkBデコイ型核酸導入群では新生血管の発生段階において、その発育が抑制されていると思われた。 以上より、HVJリポソーム法によるNFkBデコイ型核酸の導入は脈絡膜新生血管に対する有効な治療法となりうる可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Otsuji T,Ogata N,Takahashi K, et al.: "In Vivo Gene Transfer into Choroidal Neovascularizatin by the HVJ Liposome Method"Graefe's Archive for Clinical and Experimental Ophthalmology. 238. 191-199 (2000)
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[Publications] Ogata N,Otsuji T,Matsushima M, et al.: "Phosphorothioate oligonucleotides induction into experimental choroidal neovascularization by HVJ-liposome system"Current Eye Research. 18. 261-269 (1999)