2001 Fiscal Year Annual Research Report
神経芽腫骨髄微小転移をターゲットにした治療法の開発に関する基礎研究
Project/Area Number |
11671766
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
田辺 政裕 千葉大学, 医学部附属病院, 教授 (10207160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幸地 克憲 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (40312938)
松永 正訓 千葉大学, 医学部・附属病院, 講師 (80302561)
吉田 英生 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (60210712)
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Keywords | 神経芽腫 / 骨吸収阻害剤 / 神経芽腫骨転移 / 神経芽腫骨髄転移 |
Research Abstract |
平成11年度までの研究によりC1300マウス神経芽腫細胞1x10^4個をマウス尾静脈から静注し、Etidronate(第一世代bisphosphonate)10mg/kg/day皮下注を腫瘍注入と同日から開始した群で対象群と比較して明らかな骨転移抑制効果が認められた。平成12〜13年度は以下の実験的研究によりその機序の解明を行った。 1)Etidronateによる骨転移抑制効果 C1300マウス神経芽腫細胞1x10^4個をマウス尾静脈から静注し、Etidronate(第一世代bisphosphonate)10mg/kg/dayの皮下注を腫瘍注入と同日から開始(A群)、骨転移が形成される腫瘍注入後14日から開始(B群)し両群とも腫瘍細胞注入後27日目まで投与した。これらの2群と無治療群(C群)の3群で、組織学的にマウス大腿骨への腫瘍転移頻度を比較した。骨転移頻度はC群で85%であったがA群では29%(p=0.0006)、B群では56%(p=0.0732)であった。Etidronateによる明らかな骨転移抑制効果が認められたが、既に形成されている骨転移に対する治療効果は見られなかった。Etidronateは骨転移治療よりも骨転移(新たな転移或いは再発)に対する予防的治療としての投与法が有効と考えられた。 2)Etidronateによる破骨細胞活性化抑制の有無 上記3群に対して骨転移部の破骨細胞数をHE染色及び破骨細胞特殊染色を行い破骨細胞数の比較検定を行った。破骨細胞はtartate-resistance acid phosphatase活性(TRAP)陽性細胞として同定したが、A、B、C群間にTRAP細胞数の差は見られず、Etidronateによる破骨細胞抑制が骨転移抑制と関連している可能性を証明することは出来なかった。 3)Etidronateによる骨転移抑制効果の定量的解析 上記3群に対してHE染色及び神経芽腫細胞特殊染色(NSE染色)を行い、顕微鏡下で神経芽腫転移占拠部位の面積を定量し、それらの面積比を各群で比較することにより、Etidronateによる骨転移抑制効果の定量的評価を行う。
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