2000 Fiscal Year Annual Research Report
新生児ECMO施行時の肺合併症発生に関する研究:アドレノメデュリンの病態的意義
Project/Area Number |
11671769
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鎌田 振吉 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (40161202)
|
Keywords | ECMO / adrenomedullin / endotoxin |
Research Abstract |
体重3〜4kgの雑種幼犬を用い、VA-bypass施行前後の、血中adrenomedullin(AM)の動態につき検討を行った。静脈ライン作成後、気管内挿管による全身麻酔を行った。次いで、総頚動脈よりAラインを挿入し、持続的に動脈圧を測定した。胸骨正中切開を加え、肺動脈に心拍出量測定のため超音波血流計を装着するとともに、左房にカテーテルを挿入した。測定のため動脈より採血後、上行大動脈及び右房に送脱血管を挿入し、VA-bypassを40ml/kg/min.の流量にて開始した。30分行った後、VA-bypassの流量を60〜120ml/kg/min.に増量し、30分間施行した。次いで、エンドトキシン(055B5Westphal)を5mg/kg静注し、更に約60分各種パラメターを計測した。AMの測定のため、動静脈より各1mlをEDTA-トラジロール採血管に採取し、直ちに遠心分離を行った。血漿を採取し、測定まで-70℃にて保存した。AMの測定は、イムノラジオメトリックアッセイ法にて行った。 VA-bypassの施行により、血中AM値の軽度の上昇がみられ、同時に、肺循環でのAM除去量も減少した。Bypass流量が増加するにつれ、肺循環でのAM除去量も減少し、血中AM値も上昇した。エンドトキシンの投与により、血中AM値は著しい上昇を示し、肺循環でのAM除去量も増加したが、AM産生分泌量の増大が、これを上回った。以上、高流量のVA-ECMO施行中に、感染を併発した場合、肺でのAM除去能の低下と相俟って、血中AMの著しい上昇をきたすことが、明かとなった。
|