2001 Fiscal Year Annual Research Report
小腸粘膜幹細胞の結腸移植:短腸症候群に対する治療法の研究
Project/Area Number |
11671771
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
土岐 彰 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助教授 (50163960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 仲秋 香川医科大学, 医学部, 助手 (20304587)
佐々木 潔 香川医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (50243762)
渡辺 泰宏 香川医科大学, 医学部, 助教授 (10136004)
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Keywords | 小腸粘膜幹細胞 / 結腸移植 / 短腸症候群 |
Research Abstract |
この1年間に小腸再生のためのscaffordとしてのラットSISの可能性を評価した.20匹のルイス系ラットを使用した開腹後5〜7本の血管を備えた回腸ループを遊離し,その中央部を切断し,ラットドーナから作製したSISチューブを間置した.回腸ループの両端は二つの回腸瘻として腹壁に固定した.術後2週目にSISの組織変化を確認し,さらに4,8,12,24週目にラットを犠牲死させ,新生小腸の発育及び成長を評価するとともに,組織学的・免疫組織学的(actin)に検討した.手術後2週目では,SISへの多数の炎症細胞の浸潤が見られ,明らかな血管新生を認めたが,管腔内面の上皮の被覆は見られなかった.炎症細胞の数は時間が経つにつれれて減少した.粘膜層は4週目にSISの両端内面に認められ,25%程度の長さを被覆していた.平滑筋層は認めなかった.12週目では管腔の内面は完全に形成された粘膜層に覆われ,平滑筋も認めた.また,SISは消失していた.24週目では,新生小腸の層構造は本来の小腸と同じとなった.24週時の肉眼的所見では,再生した小腸は周囲組織にわずかに癒着し,近側と遠側の本来の小腸と比較して,内腔のわずかな拡大を示した.長さは25%-50%の短縮を示した. 今回の研究で,ラット小腸がscaffordとしてのSISを使用して再生することが実証された.組織学的に,再生のプロセスは,自然な治癒過程と一致していることが示された.
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