1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11671786
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
武田 啓 北里大学, 医学部, 講師 (20197297)
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Keywords | 毛包 / 培養 / ラット |
Research Abstract |
毛包器官の再構成を目的として、現在までの細胞培養の技術的追試をおこなった。胎生16日目のラットの頬髭を含む上口唇皮膚を実体顕微鏡下に採取し、0.25%トリプシンを添加したHank's液に30分間浸漬し、細胞を単離した。得られた細胞を旋回培養用の培養液(DMEM+Ham'sF12(1:1)87%,FBS 10%,chick-embryo extract 3%)を用い細胞浮遊液とした。35mmの培養皿に所定の密度で、懸濁液の状態で細胞を播種して約20時間、ロータリーシェイカーを用いて、37℃、60rpmの条件で旋回培養を行った。さらに旋回培養によって得られた細胞の集塊をI型コラーゲンでコーティングしたNuclepore 上に移し、浮遊培養用の培養液、(DMEM+Ham's F12(1:1)90%、FBS10%)で7日間浮遊培養を行い、得られた毛包組織を組織学的に観察した。in vitro およびin vivo の系いずれも分化が促進され、移植後の組織像では外毛根鞘、内毛根鞘、毛乳頭を有する再構築された毛包構造が観察された。単離された細胞からこれらの培養法を用いることで、in vitro で高次構造である毛包組織の再構築を行うことが確認できたが,7日以上は培養が困難であった。また同種ラットヘの移植試験では毛包構造の分化の促進が観察されたが観察期間が10日間であり、十分な成長毛ではなかった。同種移植ではこれ以上の観察期間の延長はむずかしいため、さらに免疫寛容動物等への移植を計画している。
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