2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11671788
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
梁井 皎 順天堂大学, 医学部, 教授 (80114495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝川 順子 順天堂大学, 医学部, 助手 (90053339)
新井 一 順天堂大学, 医学部, 助教授 (70167229)
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Keywords | 末梢神経端側縫合 / 神経縫合 / 神経端側縫合 |
Research Abstract |
端側縫合の有用性及びその神経再生のメカニズムについて検討するため、ラットを使用して我々独自の実験モデルを作成し、実験を行った。 神経端側縫合の神経再生のメカニズムは未だ不明であるが、それには大きく3つの考え方がある。損傷された神経線維の一部が側方へ再生する説、神経線維が枝分かれをする説そして枝分かれから経時的に独立した神経支配へと変化していく説の3つである。そこで、それらの鑑別のため完全に無損傷な状態での端側縫合法を考案し、その神経再生の評価を行った。 実験方法は、ウィスター系ラット雄300gを用い、坐骨神経を約40mm採取、右正中神経から左正中神経に交叉神経移植を行った。右正中神経縫合時に端側縫合を用いるが、縫合を受ける右正中神経に無損傷な群をつくった。I群:移植神経を二分割し側神経を挟み込む完全無損傷群。II群:移植神経を側神経に筋膜で巻き付ける完全無損傷群。III群:側神経の上膜開窓及び部分切断を行った上での端側縫合群。これら3群に分け、神経縫合後60日後に活動電位及び筋電図を測定し神経再生の有無を確認した。また神経組織を採取し光顕所見を比較、再生神経線維数のカウント及び再生神経横断面短径の測定を行い検討した。 実験結果は、側神経に無損傷な端側縫合を行った群を含む全ての群に神経再生が認められた。また、移植神経を刺激した際、左右両方の筋肉の収縮が見られ、端側縫合部で再生神経と側神経の交通が存在すると考えられた。神経線維数及び横断面短径については、神経接合法により有意差が認められ、無損傷群(I、II群)に比べ上膜開窓群(III群)の神経再生の程度が良好であると思われた。 また、成犬の舌下神経を用いた端側縫合についても評価を行っている。 側神経の完全に無損傷な第I、II群でも神経再生が得られた為、端側神経縫合の神経再生のメカニズムは、縫合の際に損傷された神経が側方に伸びるのではなく、移植神経に神経線維の枝が誘導されて起こる可能性が高いと示唆された。
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