2000 Fiscal Year Annual Research Report
創傷治癒過程の肉芽形成を制御する因子に関する基礎的研究
Project/Area Number |
11671789
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
館 正弘 帝京大学, 医学部, 講師 (50312004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市岡 滋 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (60306272)
平林 慎一 帝京大学, 医学部, 教授 (60173259)
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Keywords | 創傷治療 / 神経伝達物質 / 動物モデル |
Research Abstract |
1、GABA誘導体であるピラセタム投与によって、創傷治癒が促進されることが明らかになった。ことに創収縮の作用が強いことが特徴的である。この物質は中枢神経において神経伝達物質を介して神経間の連絡の増強作用があることが推定されている。また末梢神経の再生にも関与している可能性がある。現在、神経線維、神経伝達物質の染色を免疫組織学的に施行している。 2、神経伝達物質の投与実験として、サブスタンスPの局所投与実験を糖尿病マウスを使用して施行した。サブスタンスPによる明らかな創傷治癒促進効果は認められなかった。 3、創傷治癒の臨牀においては褥創が最も重要な問題となっているが、このモデルとなる動物はない。褥創モデルとしてラットの皮下に鉄板を挿入し、体表に磁石を置き、一定の間隔で阻血再潅流を繰り返した。体表の血流量はドップラー血流計で測定した。圧迫を解除すると皮弁は一過性に血流量が増加した。圧迫時間が3時間を越えると褥創に近い全層の壊死を生じた。このモデルによって安定した褥創モデルが作成できることが明らかになった。今後はこのモデルを使用し、褥創の創傷治癒過程を検討できる。 4、創傷治癒を考える上で創部の感染のコントロールが重要であるが、マウス、ラットに感染創モデルを作成することは意外と困難である。皮膚を圧挫するか熱傷を起こしたのち、その皮下に異物と黄色ブドウ球菌、緑膿菌の培養液を含んだ細菌浮遊液を埋入することにより、感染創モデルを作成することができた。
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Research Products
(1 results)