1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11671813
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
五十嵐 武 昭和大学, 歯学部, 助教授 (10159585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 綾子 昭和大学, 歯学部, 助教授 (20085773)
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Keywords | デキストラナーゼ / う蝕原性細菌 / ミュータンスレンサ球菌 / Streptococcus downei / Streptococcus rattus |
Research Abstract |
本年度は、齲蝕原性細菌(Streptococcus downei,Streptococcus rattus,Streptococcus cricetus)のデキストラナーゼ(dex)遺伝子をクローニングし、その塩基配列決定を目的として研究を進めた。その結果、これまでにS.downeiおよびS.rattusのdex遺伝子の全塩基配列の決定を終了した。塩基配列の決定は、既報のS.mutansとS.sobrinusのdex遺伝子の塩基配列相同性を基に、デキストラナーゼ(Dex)分子内の保存領域を標的にPCRプライマーを作成した。つぎに、このプライマーを用いて各菌種の保存領域内部のDNA断片をPCR増幅し、クローニングした後、その塩基配列を決定した。さらに、この塩基配列を基にその両端のDNA断片をinverse PCRで増幅し、その断片のクローニングと塩基配列決定を行った。このように、inverse PCRと塩基配列決定を繰り返してdex遺伝子の全塩基配列を決定した。その結果、S.downeiのdex遺伝子の読み枠は3,831bpであり、その遺伝子がコードするDexは1,297アミノ酸残基からなっており、その分子量は139,743であることが明らかになった。一方、S.rattusのdex遺伝子の読み枠は2,760bpであり、その遺伝子がコードするDexは897アミノ酸残基からなり、その分子量は97,596であった。また、いずれのDexもその分子内部にS.mutansおよびS.sobrinusで既に確認されている約540アミノ酸残基の相同領域を有していた。この4菌種のDexの相同領域間におけるアミノ酸相同性は68〜93%と非常に高い値を示した。また、この領域内における相同性はいくつかのクラスターとして存在していることが明らかとなり、これは本研究の最終目的であるDexの機能解析のための有用な手がかりになるものと考えている。現在、S.cricetusのdex遺伝子の塩基配列決定に着手するとともに、得られた相同領域のコンピューター解析による機能領域の推定を行っている。
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Research Products
(1 results)