2000 Fiscal Year Annual Research Report
顎顔面ニューラルクレスト細胞の移動に関与するカルシウムチャネルの解析
Project/Area Number |
11671814
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
田中 理 東海大学, 医学部, 講師 (80207076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 寛 秋田大学, 医学部, 教授 (40151104)
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Keywords | ニューラルクレスト細胞 / 移動 / カルシウムチャネル / マウス / 免疫組織化学 / ニューロン / 神経堤 |
Research Abstract |
昨年度、電位依存性カルシウムチャンネルα1サブユニットA型、B型、C型、D型、E型に対する抗体で生後0日、7日、14日および成獣のマウス脳のパラフィン切片に免疫組織化学を行った。引き続き、今年度、A型、B型、C型、D型、E型の各型が同じブルキンエ細胞に発現して居ることを明かにしたことにより、以前の我々のin situ hybridization法での各型のmRNAの局在の報告を、今回の報告が補足し、同一細胞に電位依存性カルシウムチャネルα1サブユニットのA型、B型、C型、D型、E型が発現していることを確定した。 鶏胎児神経管内神経上皮をDiIで標識し、また抗HNK-1抗体による免疫組織化学により神経堤細胞を標識可視化し、加えて同時にBrdUを投与し、S期の細胞を確定することにより、1)移動中神経堤細胞が増殖していることを明らかにした。またマウス胎生8日および9.5日のカルシウムチャネルα1サブユニットA型、B型、C型、D型、E型の各型の免疫染色をにより、2)移動開始時の神経堤細胞はカルシウムチャネルα1サブユニットのうち特にC型とD型を強く発現していることを明らかにした。さらに3)移動中の神経堤細胞はC型、D型、E型を発現していること、4)神経上皮細胞がE8ではカルシウムチャネルα1サブユニットを発現する細胞はないが、E9.5においてはA型、B型、C型、D型、E型を発現している細胞が散在することを明らかにした。 これらのことより、神経堤細胞の移動開始および移動中にカルシウムチャネルが関与していることが示唆される。また4)の事実より、神経上皮内でのカルシウムチャネルの新たな機能が示唆される。
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