アモルファスリン酸カルシウム-コラーゲン複合体の生体親和性と結晶化学的性質

1999 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 11671817
• Research Institution: Nihon University
• Principal Investigator: 寒河江 登志朗 日本大学, 松戸歯学部, 助教授 (20112948)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 早川 徹 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (40172994)
• Keywords: アモルファル / リン酸カルシウム / コラーゲン / チタンインプラント / マグネトロンスパッタリング / リン酸カルシウムコーティング / 生体親和性 / 骨接触率

Research Abstract

アモルファスリン酸カルシウム-コラーゲン複合体作成の準備段階として、アモルファスリン酸カルシウムの文献検索ならびに合成実験を行った。リン酸濃度、カルシウム濃度、pHを変えたいくつかの条件下で湿式合成を行い,アモルファスリン酸カルシウムの形成を顕微FT-IRによるリン酸イオン分析、X線回折法による結晶性の判定、熱分析法による結晶水の測定、電子顕微鏡による形態観察およびEDSによる組成分析により確認した。一方,コラーゲン複合体形成法の確立のため、様々な由来のコラーゲン試料を分析し、素材の性質の吟味を行った。またそれらのコラーゲン試料をアモルファスリン酸カルシウム形成溶液中に共存させ、複合体形成を試みた。この複合体形成実験はまだ進行中であり、一定の成績を収めるに至っていない。しかし、コラーゲンとリン酸カルシウムの結合状態について新しい知見を得ることができた。
また、リン酸カルシウムコーティング材料の生体親和性を研究する目的で、表面粗さとリン酸カルシウムコーティングがチタンインプラントに対する骨反応に及ぼす影響を調べた.インプラントとしては,表面が滑らかなチタンインプラト,grit-blasting処理したチタンインプラント,およびそれぞれにリン酸カルシウムをスパッタコーティングし,その後600℃にて赤外線急速加熱処理したインプラントの4種類を作製し,ウサギの脛骨および大腿骨関節顆部に埋入し、骨/インプラント界面を組織学的および組織形態計測学的に評価した.脛骨,大腿骨どちらもリン酸カルシウムコーティングはコーティングなしのインプラントより有意に高い骨接触率を示した.一方,表面粗さは脛骨に埋入した時のみ骨との反応に有利に働いた結果を得た.

Research Products

• [Publications] HAYAKAWA, T: "Effect of surface roughness and calcium phosphate coating on the implant/bone response"Clinical Oral Implants Res.. (in press). (2000)
• [Publications] SAKAE, T: "Application of micro-CT for study of bone-Ti implant interface and its future posibility"J. Hard Tissue Biol.. 9(1)(in press). (2000)
• [Publications] HAYAKAWA, T: "Application of High Resolution Microfocus X-ray CT for the Observation of Human Tooth"Dental Mattrials J.. 19(1)(in press). (2000)
• [Publications] 谷中 眞一: "脱灰処理が象牙質有機質特にコラーゲンへ及ぼす影響についての検討"日本口腔科学. 25(4). 457-464 (1999)
• [Publications] NAGAI, N: "Histo-Pathological Study of Bone Formation Using Porous Hydroxyapatite-BMP Composite in Dog Jaw Bone Defect"Bioceramics. 12. 229-232 (1999)