2000 Fiscal Year Annual Research Report
パピローマウイルスが関与する発癌モデルにおける癌化過程の解析
Project/Area Number |
11671832
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Research Institution | Aichi-Gakuin University School of Dentistry |
Principal Investigator |
前田 初彦 愛知学院大学, 歯学部, 助教授 (30175591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀山 洋一郎 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (70113066)
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Keywords | ハムスター / 動物 / パピローマウイルス / 発癌 / 創傷治癒 |
Research Abstract |
ヒトパピローマウイルス(HPV)が、種々の前癌ならびに癌病変に検出されることから、HPV感染と発癌との関連が多くの注目を集めている。そこで本研究では、ハムスター口腔パピローマウイルス(HOPV)の発癌に関与している可能性を探るため、あらかじめハムスターにパピローマウイルスに対する免疫を獲得させた後、発癌実験を行い、前癌病変もしくは癌病変の形成の有無を解析した。この免疫方法としては、クローニングしたHOPVのゲノムのうち、ウイルス粒子の主要構造蛋白をコードする遺伝子L1を培養細胞に発現させ、ウイルス様粒子virus likeparticleを産生し、密度勾配法により精製して免疫用の抗原を作成し、この粒子をハムスターに皮下接種した。実験動物(雄性ゴールデンハムスター)は、対照群と免疫群および非免疫群の3群に分けた。対照群は、無処置とした。非免疫群は、発癌処置のみを行った。免疫群には2回の皮下接種を3週の間をおいて行い、その後発癌処置を行った。発癌処置は、4週間dimethyl benzanthracene(DMBA)を週3回、舌尖に塗布しその後創傷を加え、さらにDMBA塗布を連続して、13日間行った。各群の動物は、発癌処置後、病理組織学的に検索した。免疫群では、対照群と同様に通常の〓重増加が見られ、舌粘膜は正常であった。一方、非免疫群では、体重の減少と舌粘膜に前癌病変の形成が認められた。また、同様に芳香族へテロサイクリックアミンを用いた発癌実験系においても前癌病変にHOPVの感染がみられた。また、HOPV感染は、発癌の比較的初期からおきることも認められた。これらの結果より、HOPV感染は明らかに発癌と何らかの関連があることが示唆された。
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