1999 Fiscal Year Annual Research Report
耳下腺開口分泌における分泌顆粒のプライミングと融合;CAMPとCa^<2+>の役割
Project/Area Number |
11671835
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉村 啓一 北海道大学, 歯学部, 助教授 (30000938)
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Keywords | アミラーゼ分泌 / priming(プライミング) / fusion(融合) / CAMP / Ca^<2+> |
Research Abstract |
我々は耳下腺遊離細胞をBio-Gelとmixし小さなcolumnでperfusionする系を確立し、種々のアゴニストのアミラーゼ分泌の時間変化を解析した。その結果isoproterenol(Isop)など。cyclicAMPを介するものとcarbachol(Cch)などCa^<2+>系を介するアゴニストのアミラーゼ分泌に及ぼす作用が異なることを見い出した。すなわち前者は主に顆粒のprimingを促進し、一方後者はおそらく細胞内Ca^<2+>濃度の増加を介して顆粒と細胞膜との間の融合(fusion)によりアミラーゼ分泌を刺激することを示唆した。Cchには顆粒のprimingの促進作用もあるが、Cchでprimeされた顆粒(partially primed ganules、PPG)の性質はIsopでprimeされた顆粒(completely primed granules,CPG)とは明らかに異なる。すなわちIsopにより活性化された顆粒がfusionするときのCa^<2+>に対するaffinityは約20倍に増加する。従ってIsopはCa^<2+>の増加がなくても顆粒のfusionを促進しアミラーゼ分泌を促進する。 我々はprimingには二つのステップからなり、CchによるprimingはPPGのみの形成、一方IsopによるprimingはPPG→CPGの形成という二つの連続したステップで起るというmodelを考えている。このmodelからIsop単独の刺激でCPGが形成され、細胞内Ca^<2+>濃度の増加がなくてもfusionのprobabilityを増加しアミラーゼ分泌が促進する。Isop存在下でのCch刺激で増加したCa^<2+>によるfusionの促進はprimeされたすべてのgranules(PPGとCPGの両方という意味)のfusionを促進する。このモデルはIsopとCch刺激後アミラーゼ分泌がIsop単独の効果より一過性に減少することをも説明する。
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Research Products
(1 results)