2000 Fiscal Year Annual Research Report
BMPとnogginによる骨軟骨発生分化過程の制御に関する研究
Project/Area Number |
11671836
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
二藤 彰 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (00240747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 政樹 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (50231725)
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Keywords | 骨格形成 / 分化 / BMP / noggin |
Research Abstract |
平成11年度までの研究においてBMPとそのantagonistとしてのnogginの相互作用が骨格形成の初期過程において重要な働きをしている可能性を示してきた。BMPとnogginの作用にはさらに別の因子が関わっていると考え、本年度は間葉系由来組織に特異的に発現していることで知られるフォークヘッド型転写因子MFH1に着目し、その発現様式とBMP-nogginの相互作用への関与について検討した。方法としてはin vitro,in vivo双方の面で3つのアプローチを用いた。すなわち(1)培養細胞を用いたin vitroでの軟骨分化におけるMFH1遺伝子の発現と、その遺伝子発現制御、(2)マウス胚を用いたin vivoでの骨格組織発生過程でのMFH1遺伝子の発現とBMPsならびにnoggin遺伝子との時間的空間的発現領域の比較、さらに(3)マウス胚器官培養系を用いたMFH1遺伝子の発現制御について調べた。結果としては(1)間葉系細胞C1細胞においては、分化誘導を行っていない状態でもMFH1遺伝子は構成的に発現している。軟骨細胞に分化する条件では、比較的初期の段階でMFH1遺伝子の発現上昇が認められた。更に、BMP4/7ヘテロダイマーを加えるとMFH1遺伝子発現の促進が認められた。C1細胞ではII型コラーゲン遺伝子もBMP4/7により発現の促進が観察された。(2)マウス胎生10.5日齢胚においては、体節由来の硬節、頭部間葉組織、肢芽間葉組織にMFH1遺伝子の発現が集積した細胞塊が認められた。11.5日齢ではMFH1遺伝子の発現は、nogginを発現している骨格原基の周辺部で、BMP7の発現領域と重複していた。12.5日齢胚でも、同様に体幹中軸、四肢骨格の骨格原基の周囲にMFH1遺伝子の発現が認められ、その発現はBMP2の発現領域との重複が認められた。(3)11.5日胚の細胞凝集塊形成期の肢芽に、リコンビナントBMP7タンパクを局所的に埋入し器官培養を行ったところ、埋入した部位のすぐ近傍で、BMPにより生じた細胞凝集の周辺部に遺伝子の発現が誘導された。この部位はBMPにより生じるnoggin発現部位を取り囲む部位に相当していた。これらの結果からMFH1遺伝子は骨格形成過程の初期の分化過程に関与し、その発現はBMPシグナルの制御下にある可能性が示唆され、MFH1もBMPとnogginの相互作用に関わる機能分子の一つである可能性が示された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takazawa,Y: "An osieogenesis-reiaied transcription factor,core-binding lactor A1, is constitulively expressed in the chondrocylic cell TC6, and its expression is upregulated by bone morphogenetic protein-2. "Journal of Endocrinology. 165. 579-586 (2000)
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[Publications] Sekiya,I.,: "SOX9 enhances aggrecan gene promoter/enhancer activity and is up-regulated by retinoic acid in a cartilage-derived cell line,TC6."Journal of Biological Chemistry. 275. 10738-10744 (2000)