2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト唾液腺細胞株におけるレチノイン酸レセプターによる転写制御の分子機構
Project/Area Number |
11671850
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
客本 斉子 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (90118274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 雅純 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (00217960)
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Keywords | レチノイン酸 / レチノイン酸レセプター / コアクチベーター / コレプレッサー / COUP-TF / ヒストンアセチルトランスフェラーゼ / 唾液腺細胞 |
Research Abstract |
本年度は、前年度にひきつづきヒト唾液腺細胞株(HSG)におけるレチノイン酸(RA)レセプターによる転写調節に関与するcofactorの検索を行った。coactivatorであるCREB(cAMP response element binding protein)-binding proteinすなわちCBPがcofactor complexの中心的役割を担うことは前年度に既に報告したので、本年度はその他のcoactivatorについて検索を行った。その結果、steroid receptor coactivator-1(SRC-1),p300/CBP-integrating protein(p/CIP)ならびにp300/CBP-associating factor(p/CAF)の発現がイムノブロット法によりそれぞれ明らかになった。またこのうちp/CIPとp/CAFにはヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)活性が認められた。また、レチノイン酸レセプター(RAR)の特異抗体による免疫沈降物もHAT活性を示したが、これは細胞内でRARに結合しているこれらcoactivatorによるものと推察された。現在、RARと結合しているcoactivator複合体の構成を免疫沈降-イムノブロット法により同定中である。 つぎに、私共がHSG細胞でクローニングした転写抑制因子COUP-TFIのRAR転写制御系への関与を調べるために、COUP-TFIをHSG細胞に一過的に導入しRARによる転写活性化への関与をレポータジーン法により検討した。この結果、COUP-TFIの導入によりRA依存性レポーター活性は顕著に抑制され、またこの抑制はCOUP-TFIのアンチセンスオリゴの導入により解除された。これらの結果はレポーター安定導入細胞を用いた実験でも同様であった。RAによる増殖抑制効果に対しては、COUP-TFIの導入はRA依存性[^3H]チミジンの取り込み抑制に対し有意に影響しなかったものの、アンチセンスオリゴの導入はこの抑制を解除、ないしは対照以上に取り込みを増加させた。これらよりCOUP-TFIの増殖抑制経路にはRARの転写活性化を抑制する間接的経路とともに直接にtransrepressする経路があることが示唆された。一方、corepressorのNooRとSMARTの発現を認めたので、COUP-TFIとこれらcorepressorとの複合体形成を現在検討中である。
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[Publications] 客本斉子: "ヒト顎下腺腺癌細胞(HSG)におけるレチノイン酸依存性増殖抑制機構へのCOUP-TFIの関与"口腔組織培養学会誌. 9・1. 77-78 (2000)
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[Publications] Masazumi Nagai: "Cancer cell responsible for humoral hypercalcemia express mRNA encoding a secreted form of ODF/TRANCE that induces osteoclast formation."Biochem.Biophys.Res.Commun. 269. 532-536 (2000)