1999 Fiscal Year Annual Research Report
口腔内組織での活性酵素種フリーラジカルのモニタリングーバイオセンサーの開発と病態モデルへの応用ー
Project/Area Number |
11671858
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
塗々木 和男 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (90139577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 俊介 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (60206810)
小林 裕 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (50130919)
岡部 栄一郎 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (50097276)
庄司 洋史 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (90277913)
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Keywords | (1)活性酸素フリーラジカル / (2)ルミノール / (3)化学発光 / (4)デフェロキサミン / (5)バイオセンサー / (6)Cu,Zn-SOD / (7)ペルオキシダーゼ / (8)フェントン反応 |
Research Abstract |
スーパーオキサイドアニオンラジカル(O_2・-)を検出するため,SODを過酸化水素電極およびオプティカルセンサーに構築することを検討した。SODはO_2・-を過酸化水素に不均化する。この過酸化水素を電気化学電極あるいは光学デバイスを用いて検出しようというものである。我々の考察したラジカル検出オプティカルバイオセンサーはSODとペルオキシダーゼの複合酵素系をグラスファイバー先端部に固定した検出部と,もう一端をフォトンカウンターに接続した光ガイド・測光部から構成されている。このオプティカルバイオセンサーはO_2・-識別能を有するSODによって不均化され,O_2・-より生じた過酸化水素を利用してペルオキシダーゼでルミノール発光を促進させることで検出感度を高めるものである。この着想を基に,まずSODとルミノールとの作用特性を明かにする基礎実験から着手した。その結果,SODは高濃度過酸化水素(10^<-6>M以上)存在下,O_2・-不均化反応非依存性にルミノールー過酸化水素発光を著しく促進させた。またこの促進効果は金属キレーターであるデフェロキサミンで100%阻害された。さらにSODにはカタラーゼのようなペルオキシド活性は認められなかった。したがって,SODー過酸化水素のルミノール発光促進効果は,SOD由来銅イオンによるフェントン反応を介したヒドロキシルラジカルによって二次的にルミノール留化学発光が発現されたものと考えられる。SODの基質特異性を検出部に応用した今回のラジカルバイオセンサーは,高濃度過酸化水素発生条件下ではヒドロキシルラジカル介在性化学発光にも留意しなければならないことが今回の実験で示唆された。今後さらに,O_2・-選択性の高い化学発光指示薬ルシフェリン誘導体等の応用とあわせて,生体内でのO_2・-検出の可能性について検討する。
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Research Products
(2 results)