1999 Fiscal Year Annual Research Report
ラット皮質味覚野での反応性興奮の発生の時間的及び空間的拡がりの研究
Project/Area Number |
11671860
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
佐藤 豊彦 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (80064830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 たつ子 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (70192416)
江口 国博 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (30113062)
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Keywords | 味覚の弁別 / 皮質味覚野 / 膜電位依存性色素反応 / 蛍光測定 / 味覚刺激 / ラット |
Research Abstract |
膜電測定装置(浜松フォトニクスArgus50)を用いて、ラット大脳皮質味覚領域の口腔内味刺激に対する反応の空間的および時間的ひろがりを調べ、味の種類の弁別の背後にある神経機序を知ろうと試みた。 実験動物は全身麻酔下で、気管挿管し、開頭術を施し、硬膜を除去した。神経細胞膜に接着し、その興奮によって蛍光を発する色素としてはRH795を用いた。色素の濃度は0.2mg/mlとした。皮質表面からの色素の浸透時間は90分とした。蛍光測定のサンプリング間隔は1kHzとした。 舌の味刺激に最も強く応答する部位は中大脳動脈の腹側方向に局在し、前後および背腹方向の長さは約1mmであった。蛍光検出用のレンズの焦点を、皮質表面から0.3-0.5mmとした時に最も強い螢光が検出された。反応の時間的経過としては、舌に載せた味溶液を染ませた濾紙に電気パルスを与えた時点から計測すると、約20msの潜伏時間で蛍光が発現し始め、25msで最大強度に達し、30msでほぼ元に復した。味の種類としては、NaClが最も有効で、次いでHClであった・興奮する皮質の範囲についての味質特異性は顕著ではなかった。 これらの結果は平行して行った電気生理学的実験結果とよく一致した。即ち、明瞭な味反応を示すニューロン活動が頻繁に記録される皮質領域と皮質表面からの深さが一致した。また、最も高頻度で遭遇するニューロンの味反応特性はNaClベスト、即ち、NaClに最も強く反応した。
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