2000 Fiscal Year Annual Research Report
視覚特性の関数化による歯科疾患自動診断システムの開発
Project/Area Number |
11671870
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
河津 俊幸 九州大学, 歯学部・附属病院, 助手 (20294960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊福 不可依 九州大学, 医療技術短期大学部, 教授 (10117179)
徳森 謙二 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (40253463)
田中 武昌 九州大学, 歯学部・附属病院, 助手 (30163538)
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Keywords | 歯科用デジタル画像 / 自動診断システム |
Research Abstract |
近年のコンピュータ関連技術の飛躍的な進歩に伴い、歯科領域においても種々の歯科用デジタル画像診断システムが開発され、近い将来にはフィルムに代わりデジタル画像診断が主流になるであろうと言われている。我々は、平成9年〜10年にかけて、文部省科学研究費基盤研究C(2)(一般)「歯科用デジタル画像診断システムの最適化のための国際標準ファントムの開発」において、最大の診断情報が得られる最適撮影条件を設定するための標準ファントムを開発し、あわせてフィルム画像とデジタル画像の特性の相違について検討した。その結果によると、最適撮影条件下に得られたデジタル画像には、フィルムよりもはるかに多くのコントラスト情報が保存されているが、これらの画像情報は、コントラスト強調処理等の画像処理を適切に加えないと可視化できないことが明らかになった。 コンピュータシミュレーション画像や単純なファントムを使った信号検出実験においては、上記の結果と同様に、コントラスト強調処理等の画像処理を加えることによりその検出能が向上することが報告されており、その理論体系もほぼ確立されている。しかしながら、歯科用デジタル画像を用いた齲蝕の診断能についてはフィルムと同等であるという報告が多く、また画像処理の有用性についても、診断能の有意な向上は得られないとする報告が多い。これには、齲蝕の検出における周囲の解剖学的構造物の影響なども考えられるが、一つには観察者の視覚特性が十分把握されていないため、デジタル画像より診断に必要な情報を取り出せていないという要因も考えられる。 本研究では、平均的な観察者の視覚特性を関数化することにより、齲蝕の診断にはエックス線コントラストが最も重要な因子であることを明らかにし、デジタル画像から最大の情報を取り出すための手法を確立することができた。また、デジタル画像からいくつかのパラメータを抽出し、齲蝕の診断を半自動化するシステムを構築し、実際の観察者とほぼ同等の診断能を得ることに成功した。
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