1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11671871
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田代 茂樹 長崎大学, 歯学部, 助手 (20300882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角 忠輝 長崎大学, 歯学部・附属病院, 助手 (80284701)
片山 郁夫 長崎大学, 歯学部・附属病院, 助手 (80295089)
柴田 善幸 長崎大学, 歯学部, 助手 (20253685)
中村 卓 長崎大学, 歯学部, 教授 (30172406)
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Keywords | cPLA2 / CaLBドメイン / 核外移行シグナル / 分子内相互作用 / 細胞内局在 / 転写因子 |
Research Abstract |
細胞質型PLA2(cytosolic phospholipase A2)は細胞膜リン脂質を選択的に加水分解し、アラキドン酸を遊離させる酵素として見い出され、通常は細胞質に局在する。しかし、細胞の活性化などによるCa^<2+>濃度の上昇により核膜周辺へ移行する。この移行にはN末端側にあるCa^<2+>依存性リン脂質結合ドメイン(CaLBドメイン)が関与している。本研究ではcPLA2の酵素活性や細胞内局在がどのうなメカニズムによって変化するのかを特に各ドメイン間の分子内相互作用やリン酸化部位に注目して検証した。方法としてcPLA2を動物培養細胞に遺伝子導入し、細胞中の(1)cPLA2タンパク質の細胞内局在変化、(2)cPLA2の酵素活性、(3)cPLA2タンパク質のリン酸化に伴う分子量変化、(4)cPLA2と相互作用する因子について解析した。遺伝子導入するcPLA2については野生型の他に機能ドメインや重要アミノ酸残基の変異型を作製した。 その結果、cPLA2は3つのドメインでそれぞれ分子内相互作用していること、核外移行シグナルが存在していること、505番目のセリンが核外移行に重要な働きをしていること、そして転写因子B-Mybと相互作用していることが明らかとなった。以上からcPLA2は通常は細胞質に局在するが転写因子の核内移行を利用して核膜周辺へ移行すると推測できる。 これらの内容は1999年12月の日本分子生物学会総会(福岡)にて発表した。
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