2000 Fiscal Year Annual Research Report
光硬化型グラスアイオノマーセメントを用いた補修修復術式の確立に関する研究
Project/Area Number |
11671907
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Research Institution | Nihon-University |
Principal Investigator |
黒田 隆 日本大学, 歯学部, 助教授 (80059790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 真至 日本大学, 歯学部, 助手 (70239391)
小野瀬 英雄 日本大学, 歯学部, 教授 (70059426)
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Keywords | 審美性修復材 / 補修修復 / グラスアイオノマー / 歯科用合金 / ボンディング材 / 接着強さ |
Research Abstract |
申請者らは,この補修修復法への光硬化型グラスアイオノマーセメント(以後,光セメント)応用に関して一連の検討のうち,光セメントを用いた修復法の臨床応用の拡大に関する検討として,被着歯面を歯科鋳造用合金として,メタルプライマーおよび光重合型レジンに付属するボンディング材の使用が,光セメントの接着性におよぼす影響について検討し,その臨床使用術式を確立するものである。 実験に供試したメタルとしては,20K金合金,12%金銀パラジウム合金,銀合金およびCo-Cr合金の4種類を使用する。表面処理材としては,市販のメタルプライマー4製品と光重合レジンに付属するボンディング材4製品である。 接着試片の製作は,通報にしたがって鋳造された金属を被着面とし,これにボンディング処理あるいはメタルプライマー処理などを行った後,この面に設置したテフロン型にセメントペーストを製造者指示に従って填塞,これを接着試片とした。これらの接着試片を,試片製作後37℃精製水に浸漬保管し,インストロン万能試験機(Type 4042,Instron)を用いてその剪断接着強さを測定した。あわせて,剪断試験後の試片の破断面を走査型電子顕微鏡(JSM-5400,日本電子)を用いて写真撮影を行った。 その結果,いずれのボンディング材であってもAg,CCなど比較的卑な金属元素を含有するメタルに高い接着強さを示した。これは前述した酸化皮膜形成の影響と考えられた。また,ボンディング材の種類による接着強さの向上傾向の違いについては,それぞれのボンディング材で使用されている機能性モノマーの種類による違いはほとんど認められなかったものの,ボンディング材に含有されるマイクロフィラーによる違いが認められた。また,接着試験後の破壊形式ではいずれの試片においてもボンディング材からの凝集破壊が大勢を占め,またAgおよびCCでは,光セメントの凝集破壊も認められた。
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