2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11671950
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
長谷川 晃嗣 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (70218444)
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Keywords | 支台築造 / セラミックス / 人工歯根モデル / 牛歯 |
Research Abstract |
セラミックスコアで支台築造した歯根に対して破壊試験を行い、破壊強さと歯牙の破壊状況等を総合的に評価し実用への可能性を探っている。 昨年度はテストベッドとなる「歯根」が歯牙の破壊強さや、破壊の状況を大きく左右する事を明らかにした。したがってセラミックスコアを含めた支台築造体の評価には「均質な歯根」の供給が必要で、このためにシュミレーションモデルとしての「人工歯根モデル」の材質や製作方法を検討した。 従来の支台築造材料の評価に用いられている「ヒト歯牙」、比較的「ヒト歯牙象牙質」に近い曲げ弾性率を持つ「コンポジットレジン」、および「牛歯」の三つを用いて以下の実験を行った。すなわち「ヒト歯牙」の歯根をモデルとして「歯科用手動倣い加工機」によって、これと同形の「人工歯根モデル」を牛歯、コンポジットレジンからそれぞれ削りだした。 これらに対して、通法により12%金銀パラジウム合金を材料としたポストコアを用いた支台築造を行った。その後破壊試験を行って、破壊強さならびに破壊状況を観察した。結果として、コンポジットレジン製の「人工歯根モデル」は破壊強さ、破壊状況とも原形である「ヒト歯牙」の歯根とは全く異なった状況であった。これに対して「牛歯」製の「人工歯根モデル」では破壊強さはほぼ1:1の関係を示した。さらに破壊状況も極似していた。結論として「人工歯根モデル」は形状ばかりでなく、材質も同じものを用いたときに、極めて正確なシュミレーションが可能となる事が明らかになった。したがってヒト歯牙を倣い加工した牛歯製の人工歯根モデルは支台築造体の破壊状況を知るためには極めて有用であることが示唆される。 以後、上記「人工歯根モデル」をシュミレーション材料として用い、各種セラミックス材料製のポストコアの評価をおこなう予定である。
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