2000 Fiscal Year Annual Research Report
生体力学的見地からの咬合因子と顎運動速度による顎機能障害の早期診断に関する研究
Project/Area Number |
11671951
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
笹原 廣重 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (70050052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 孝親 日本大学, 松戸歯学部, 助教授 (90153808)
根本 君也 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (00050039)
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Keywords | 咬合音 / 高周波成分 / 顎運動軌跡 / 最大開閉口運動 / 速度変化 |
Research Abstract |
1.咬合音測定システムの改良 咬合音測定システムについて,顎運動の速度解析もできるようプログラムの改良を行った。パラメータとしては最大速度,最大速度発現時移動量などに加え,顎運動経過中の急な速度変化を抽出できるよう,速度変化点前の複数データポイントが減少傾向,速度変化点後の複数データポイントが増加傾向にある連続した変化ポイントをnotchとして認識できるようにした。 2.臨床的検討 臨床的検討として健常者と関節円板転位を有する顎機能異常者を対象に,動的な咬合状態の変化および顎運動の変化を指標とした検討を行った。 咬合音高周波成分の持続時間は,顎機能異常群が健常群に比較して長い傾向を示した。咬合音高周波成分の持続時間の変動係数は,顎機能異常群が健常群と比較して大きい傾向を示した。関節円板転位を有する場合,動的な咬合状態の安定性に影響を及ぼしていることが考えられた。 顎運動の円滑さの様相を検討するため,notchの出現について検討を行った。開口相での出現については健常群に比べ顎機能異常群で多い傾向がみられ,顎機能異常群では顎運動経過中の速度変化が複雑な様相を呈しやすいことが考えられた。 関節円板の転位を有する顎機能異常者において動的な咬合状態の不安定さ並びに顎運動の不安定さがみられたことから,関節円板の転位によって下顎頭と関節円板や関節包などとの協調性が乱れ,顎運動の支点となる顎関節の安定性が低下していることなどが考えられた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 佐藤繁: "顎関節円板転位の方向が動的咬合状態に及ぼす影響"日本口腔診断学会雑誌. 13巻2号. 596 (2000)
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[Publications] 梅田宜承: "咬筋圧痛症例の下顎張反射による評価-下顎安静位のオトガイタップ-"日本口腔診断学会雑誌. 13巻2号. 596 (2000)
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[Publications] 内田貴之: "片側に顎関節症状を訴えた患者における両側関節円版のMRI所見"日本顎関節学会雑誌. 12巻2号. 227-233 (2000)