2000 Fiscal Year Annual Research Report
軟性裏層材の長期使用が無歯顎顎堤に及ぼす影響について
Project/Area Number |
11671953
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
木本 統 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (10267106)
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Keywords | 無作為割付臨床試験 / クロスオーバー試験 / 総義歯 / 軟性裏層材 / 満足度 / 顎堤吸収 |
Research Abstract |
軟性レジンの効果を総合的に判定するため、患者の主観的評価である満足度、咀嚼に及ぼす影響、顎堤の変化に及ぼす影響を無作為割付臨床試験を用い定量を試みている。 1:割付状況について 現在までに割付を行った患者21名 軟性レジンから通法レジン群への割付患者12名、通法レジンから軟性レジン群への割付患者9名で割付後ドロップアウトした患者2名を含む。 2:クロスオーバー試験について 割付後クロスオーバー試験が完了した患者は4名で、軟性レジンから通法レジン群への割付患者1名、通法レジンから軟性レジン群への割付患者3名である。 3:結果について クロスオーバー試験を完了した患者が4名と少ないため統計的手法を用いた解析を行っていない。そこで、今回は4名の患者からの傾向のみを報告する。 (1)咀嚼への影響について Manlyの方法を参考に、ピーナッツによる咀嚼能力の判定を行ったところ、いずれの患者においても軟性レジンを使用した方が咀嚼能率が高かった。 (2)患者の満足度に及ぼす影響について 二つの義歯を直接比較させ、総合的満足度および咀嚼、発音、清掃性、安定、維持、快適性、審美性の満足度をビジュアルアナログスケール(VAS)により測定したところ、軟性レジンの方がわずかに満足度が高い。しかしながら今後使いたい義歯はどちらかと質問したところ、全員が軟性レジンを選択した。この点に関しては、今後被験者数が増えてこないと検討が加えられないものと思われる。 13年度中に主要検討項目である総合的満足度の必要サンプル数の算定を行い、クロスオーバー試験の終了時期を検討する予定である。
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