2000 Fiscal Year Annual Research Report
レーザによる表面改質を応用した接着ブリッジ用表層金合金
Project/Area Number |
11671958
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
大熊 一夫 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (50203740)
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Keywords | 表層金合金 / 接着ブリッジ / 電気化学的挙動 / 安定電位域 / 金の含有率 / 不動態被膜 / 45wt%Ag-35Pd-20Cu合金 / コバルト・クロム合金 |
Research Abstract |
前年度の実験で、剛性の大きい45wt%Ag-35Pd-20Cu合金とコバルト・クロム合金を母合金として、金板を圧接後YAGレーザーを照射することにより、表層を金合金化した。特に、(5)6(7)からなる1歯欠損のブリッジで、スマロイチタンを母合金とし、鋳造体の厚さが2.0mm以上になる条件で、厚さ100μmの金板を圧接後レーザー照射して作製した接着ブリッジは、強くしなやかであることが判った。また、鋳造用金銀パラジウム合金のJISに適合するほど耐変色性が向上したことも判った。 しかし、近年金属アレルギーなる問題が生じ、耐変色性試験に適合すれば直ぐに臨床応用できるものではなくなった。そこで今年度は、腐食試験の1つである電気化学的挙動を測定し、接着ブリッジ用に開発した表層金合金のアレルギー反応や耐食性の機構について検討してみた。○45wt%Ag-35Pd-20Cu合金を母合金 母合金の安定電位域の範囲が最も狭く、圧接する金板が厚くなるにしたがい、安定電位域は広くなった。厚さ60μm以上の金板により作製した表層金合金は耐食性が向上した。厚さ30,60,90μmの金板を用いた表層金合金の金の含有率は、28.4,36.2,45.5%であった。○コバルト・クロム合金を母合金 母合金は不動態被膜を形成するが、表層を金合金化すると不動態被膜は消滅し、耐食性が低下した。厚さ30,60,90μmの金板を用いた表層金合金の金の含有率は、55.7,27.4,43.7%であった。
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