2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11671968
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
福島 忠男 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (80084250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡畑 恵雄 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (80038017)
谷口 邦久 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (90105685)
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Keywords | 人工脂質 / サイトカイン / 骨形成 / タンパク質 / DNA / キャリヤー |
Research Abstract |
BMP、b-FGF等のサイトカインは骨誘導材料として注目され、骨代用材料やインプラント材料への応用が期待されている。しかし、これらのタンパク質は有機溶媒や熱で変性されやすく、また、親水性であるために代謝や拡散が速すぎるなどの欠点があり、そのために使用条件やキャリア材料の選択が限定されている。そこで、サイトカインを人工脂質で被覆し疎水化を計れば前述した難点が解決できるもと考え、中性人工脂質であるdidecyl-N-glucono-L-glutamate(2C_<12>-glu-glc)を合成した。2C_<12>-glu-glcの親水部には5個の水酸基があり、その水酸基とBMPおよびb-FGFが水素結合すればサイトカインは人工脂質で被覆化される。リン酸バッファー中で人工脂質とサイトカインを反応させ、反応液中や沈殿物中のタンパク質の量をUV分析から定量し、BMPおよびb-FGFの人工脂質被覆化を確認した。得られた人工脂質被覆BMPおよびb-FGFは有機溶媒に可溶であり、有機溶媒中での立体構造も安定していることがCDスペクトルより判明した。沈殿物のUV分析から沈殿物中のタンパク質含有はそれぞれ約3%と約2%であっが、骨形成能はラットの下肢頸骨のインプラント実験より良好であることも明らかとなった。また、人工脂質被覆サイトカイン用の新規のキャリヤー材を開発するために、カチオン性人工脂質あるn-alkly-L-alanineを合成し、水溶液中でDNAと反応させたところ水不溶性のDNA/n-alkyl-alanine複合体が得られた。この複合体は有機溶媒可溶性であり、溶媒除去すればフィルムになることが判明した。したがって、この複合体がキャリヤー材として極めて有望であることも明らかとなった。
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