1999 Fiscal Year Annual Research Report
筋血流量が咬筋浅層と深層におけるエネルギー代謝に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
11671970
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
井上 農夫男 北海道大学, 歯学部・附属病院, 助教授 (20091415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
箕輪 和行 北海道大学, 歯学部, 助手 (30209845)
山口 泰彦 北海道大学, 歯学部・附属病院, 講師 (90200617)
戸塚 靖則 北海道大学, 歯学部, 教授 (00109456)
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Keywords | 組織血流量 / 咀嚼筋 / 筋エネルギー代謝 / 31P-MRS |
Research Abstract |
本研究の目的は,各種条件下の血流量における咬筋のエネルギー状態を明らかにし,咬筋の血流量の変化が,筋組織内のエネルギー源の枯渇による筋疲労を引き起こすか否かを検討することである、平成11年度には,主に,咬筋の血流量測定方法の確立と各種条件下でコントロールとなる正常者の血流変化の特徴を検討した.組織血流量の測定には,バイオメディカルサイエンス社製組織SO2・Hb量モニターPSA-IIINと深部組織用プローブを用いた.プローブは咬筋中央部に両面テープで固定した.組織血流量のパラメータとしては,組織内酸素飽和度(StO2)と総ヘモグロビン量(Hb)を用いた.測定は,安静時,咬みしめ中,および後.ガム咀嚼中および後とした. 結果 1.StO2については,被験者間のばらつきが小さく,咬みしめやガム咀嚼時の変動も小さく安定していた.2.総Hb量は,被験者間のばらつきが大きく,しかも,姿勢や頭位により変動していた.そのため,測定時の姿勢,頭位を可及的に一定にすることの必要性,および,総Hb量そのものより,総Hb量の変動率や変動時間を比較評価することの重要性が示唆された.3.咬みしめ時,総Hb量は低下し,中止後,一時的に安静時より高い値を示した.ガム咀嚼では,咀嚼直後から総Hb量の上昇が見られ,咀嚼の進行に伴いやや下降する.咀爵中止後の明らかな上昇は認められなかった.今後は,負荷条件に対するこれらの変化を基準として顎関節症患者の咬筋の血流量の特徴を検討し,さらにエネルギー代謝との関連性を検討して行く予定である.
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