1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11671979
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
秀島 雅之 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (50218723)
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Keywords | 下顎半側切除 / 下顎運動 / 6自由度顎運動測定 / 摂食・嚥下機能 / 前頭面 / 仮想切歯点 / 回転角 / パラメータ |
Research Abstract |
顎顔面部の腫瘍等で下顎や舌の切除術を行い、下顎骨の連続性を欠如した症例では、残存する下顎が不安定で著しい偏位を伴い、上下顎の歯列が適正に咬み合わなくなり、摂食・嚥下機能に重篤な支障を来す。本研究では、下顎半側切除患者が摂食・嚥下の機能運動の際、どの様な運動経路を描き、食物を咬み込み、飲み込む際、下顎骨がどの様な運動様相を呈するかを立体的にとらえ、分析、検討することを目的とする。 被験者は下顎切除患者7名を下顎に連続性を伴わない半側切除症例群と部分切除を主体とする下顎に連続性を伴う症例群の2群に分け、6自由度顎運動測定器MMJI-E(松風社製)を用いて咀嚼、嚥下運動を記録した。分析は、上顎の咬合平面を基準平面とし、上顎切歯点を原点としてこれを下顎の仮想切歯点とした際の軌跡を描記し、さらに各機能時の前頭面、矢状面、水平面における下顎の回転角について算出し、比較、検討した。 その結果、仮想切歯点の運動では半側切除群の咀嚼運動は、部分切除群に比べ、前頭面の軌跡が開口時に著しく患側に偏位し、また後方に偏位する傾向が認められた。嚥下運動では両群とも運動範囲が小さいこともあり顕著な差は認められなかった。一方、回転角による分析では、半側切除群は部分切除群に比べ、咀嚼、嚥下運動ともに前頭面における回転が有意に大きく、患側方向に回転する傾向が認められた。 したがって、下顎切除症例の顎運動の解析の際、回転角の分析は嚥下のように僅かな運動範囲においても顕著な差が認めらたことから、下顎運動評価の有効なパラメータとなることが示唆された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Takahashi, M., Hideshima, M., Ohyama. T., et, al (2): "Study of madibular movements in mandibulectomy patients -Border movements and functional movements during mastication, deglutition and speech-"Journal of Medical and Dental Sciences. 46(2). 93-103 (1999)